ワンフェスカメラマン

11日、千葉・幕張メッセで模型とフィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル2024冬」(以下ワンフェス)が開催。会場には多くのコスプレイヤーが集まったが、そんな中一風変わった機材で巧みに撮影を続けるカメラマンがいて…。

 
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■会場の名物「コスプレ広場」

ワンダーフェスティバル2024冬

夏冬の年2回開催されている大手模型メーカー・海洋堂主催のワンフェス。前回の2023夏大会が約3万4,000人、前々回の2023冬大会が約3万5,000人と、ガレージキット、フィギュアファンなら誰もが知る国内最大級のイベントである。

この日も開場と共に多くの来場者が館内を訪れ、フィギュアメーカーの集まる企業ブース、各地の敏腕クリエイターが出展する個人ディーラーブース、そしてコスプレ広場に散っていった。

 

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■ユニクロ商品のパッケージを掲げるカメラマン

ワンフェスカメラマン

記者が現地に行くと、造形系衣装に身を包んだコスプレイヤーたちが一般カメラマン相手に撮影対応中。その現場に、かつて見たことがない機材で淡々と撮影を続ける一人の賢者がいた。

自らを“コスプレ撮影の芋カメコ”と称する敏腕カメラマンの黄八さんだ。

彼の持っているカメラ上部には、ユニクロヒートテック」のパッケージ(以下プラパック)が装着されており、パケ表面は被写体の顔に向かっている。「なんでこんなことをしているんだい」と、記者は黄八さんに無理やり取材を申し込んだ。

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■安い、軽い、でかいの三拍子

ワンフェスカメラマン

「ああ、どうぞどうぞ。なんでもお話しますよ」と、記者の突撃取材を快くOKしてくれた黄八さん。

なぜヒートテックの袋を着けているのか問うと、「カメラ上部にある外付けストロボの光を、より柔らかく被写体に向けて拡散させるために着けているんです。いわゆるディフューザーです」との回答。

外付けストロボから発射された光は、縦長なプラパックの白い面にぶつかって広がり、適度に被写体を照らしていく。直接ストロボから強い光を当てるのと比べ、より自然でソフトな光になる。

軽量な上、「原価がほとんどかかっておらず、外側をアルミ線で固定しているので折り曲げも自在。バッグにも収納しやすい」(黄八さん)という特色もある。それを証明するかのよう、パタパタっと折りたたむと非常にコンパクトになった。

 

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■かつてはカップラーメン容器を活用した猛者も…

ワンフェスカメラマン

カメラ関連の機材は消耗品である。カメラ本体、レンズ、ストロボのみならず、一つ数万円もする周辺アクセサリー類まで、壊れては買い直すのがカメラマンの宿命だ。

リーズナブルに装備を整えたい場合や、旅先や遠征先などで万が一備品が破損した時などに、このヒートテック式ディフューザーを自作すればきっと解決できるだろう。

「過去には、100円均一で購入した小型の食品保存容器なども試しました。外付けストロボの発光面と信じられないほどぴったり合いまして、光も柔らかくなったんです。まさにこれぞシンデレラフィット!」と黄八さん。

かつてペヤングの容器や、カップラーメン容器をストロボに装着し光を自在に操る“魔術師”たちを取材してきたsirabee記者。今回の黄八さんも彼らに並ぶアイデアマンだったのである。

 

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■執筆者プロフィール

キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク

中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーからスポーツまで精力的に取材しつつ、中年独身ひとり暮らしを謳歌する。

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