「鏡よ、鏡…世界でいちばん美しいのは誰?」

白雪姫です。あなたより1000倍美しい」

 これは童話「白雪姫」で、魔法の鏡から「世界でいちばん美しいのはあなたです」と言われて続けた継母である妃が、ある日を境に白雪姫に地位を奪われ激高した際のやり取りだ。その結果、継母は白雪姫殺害を計画し、その命を受けた家来が毒リンゴで姫殺害を実行するというものだが、実は西洋には古くから、鏡に不思議な霊力が宿っているという伝説が少なくない。

 そんな鏡を使って子供の頃、誰もが一度は遊んだのでは、と思うのが、鏡と鏡を向かい合わせにして無限のループを作り出す「合わせ鏡」だ。実は「合わせ鏡」によって映し出される謎の空間は、トワイライトゾーンへと続く道だとされ、まかり間違うと現世に戻ってこられなくなる…。そんな恐ろしい都市伝説があることをご存じだろうか。

 さっそくオカルト誌編集者の話を聞いてみよう。

「合わせ鏡というのは通常、2枚で行うものですが、これを4枚使って行うと霊界につながる道が交差してしまい、鏡の世界に引きずり込まれて出てこられなくなる、との言い伝えがあります。オカルトの世界でも、これは極めて危険行為とされてきました」

 危険だという割に、方法はいたって簡単。10センチから15センチほどの鏡を4枚と、ロウソクを1本用意し、4枚の鏡を向かい合わせにする。それぞれ東西南北に合わせるよう、正方形に置くだけなのだが、

ロウソクに火をつけ、午前0時ちょうどに合わせ鏡を覗くと、そこに霊が見えるというものです。霊の正体は守護霊とも悪魔ともいわれています。午前2時に合わせ鏡の前に立つと、自分の過去と未来が見えるとされ、正面の鏡には未来が、後ろの鏡には過去が登場する。もちろん人によって見える、見えないの差はあるようですが、見える人には、霊がはっきりと形としてわかるといいます。ただ、見える時間はほんのわずかなので、気が付かないうちに見逃してしまう場合もあります」(前出・オカルト誌編集者

 とはいえ、一度鏡の世界に引きずり込まれてしまうと、現世に戻ってこれなくなる場合もある。実際に海外では、この実験を行った子供たちが意識不明に陥り、その後、植物状態になってしまった事例が報告されているという。

「この4枚合わせ鏡は、都市伝説の中でも『絶対に興味本位でやってはいけない』と言われてきたもの。どうしても、という方は、鏡の中の自分が話しかけてきたとしても、絶対に驚かないこと。さもないと、霊界から空間を通ってやってきた悪魔に、鏡の中の世界に引きずり込まれる可能性が格段に高くなるということです」(前出・オカルト誌編集者

 たかが都市伝説、されど都市伝説。君子危うきに近寄らず、なのかもしれないが…。

ジョン・ドゥ

アサ芸プラス