レゴブロックの箱に薬物を忍ばせて運ぼうとした男が、逮捕された。74箱が押収されており、脱法ドラッグになれば2億円以上の価値を持つ薬物も含まれていたという。『The Guardian』がレポートした。
■レゴブロック74箱に薬物
オーストラリア・メルボルンで、レゴブロック74箱に隠された薬物が押収され、麻薬密輸容疑で男が逮捕された。
押収された箱には、200万ドル（約2億6,700万円）相当とみられるメチルアンフェタミンと60万ドル（約9,000万円）相当のブタンジオール70キロが入っていた。
アンフェタミンは、摂取することで脳内化学物質のドーパミンを増幅し、気分が高揚したように感じる薬物だ。反復性があるため中毒性が高く、短期的な摂取でも食欲減退や不整脈など健康被害を及ぼすため、日本でも覚せい剤取締法で規制されている。
またブタンジオールは工業用溶剤で、本来はポリエステルやポリウレタン樹脂の原材料として使用されている。しかし謝って経口した場合は、嘔吐、意識障害、呼吸抑制などの症状が現れ、大便や尿失禁を起こすほど意識消失になるケースもあるという。
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■高価なコレクションも隠れみのに…
押収されたレゴブロックの中には、1,299ドル（約19万円）相当の『The Star Wars Millennium Falcon』という高価なモデルや、現在は廃盤になっている警察署モデルも含まれていたという。
また押収物は、他にも銃、銃弾、伸縮式警棒や高級時計5点もあったと伝えられている。
容疑者の男は、依存性のある麻薬密輸の罪に加え、保釈中の身でありながら犯罪を犯した罪、さらには窃盗の罪など計10件の罪で起訴された。
こうした麻薬犯罪では、工業製品として薬物を輸入し、脱法ドラッグを生成するのが一般的になっているという。地元警察の巡査部長は、「脱法ドラッグを作る材料になるこれらの薬物が、地域社会に多大な損害を与える可能性がある」と指摘している。
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■同様の犯罪は2件目
メルボルン・ビクトリア地方でのレゴブロックを隠れみのにした麻薬密輸は、実はこれが初めてではない。
昨年11月、同エリアで麻薬密輸の拠点と化していた住宅からは、1,130箱のレゴブロックが押収されていた。この時に押収されたメタンフェタミンを含める薬物、現金や宝石箱などの総額は、20万ドル（約2,900万円）相当だったという。
当局は、「この手の薬物は予測不可能な部分があり、少量の摂取でも致命的な結果に至ることもあります。そのため、意図しない人の手に渡らないよう全力を尽くしています」と話している。
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