ディズニーEpic Gamesの株式取得 『Fortnite』に一大ユニバースが誕生するか

 先週、ディズニーEpic Gamesの株式を、およそ15億ドル投じて取得した。その目的はディズニーピクサーマーベルスター・ウォーズなどのキャラクターやコンテンツを楽しむことができる、一大“ユニバース”の構築だ。

【画像】ディズニー×Epic Gamesのティザームービー エルサやダース・ベイダー、インディ・ジョーンズなど往年の人気キャラクターたちの姿が確認できる

 発表によれば、この“ユニバース”はEpic Gamesが誇るバトルロイヤルゲームにして、いまや世界最大規模のメタバースとして挙げられる『Fortnite』との相互運用性を確保するとのことだ。事実であれば、『Fortnite』のアカウントで保有する様々な資産(たとえば、アバターのスキンなど)を、そのまま持ち込めることを意味する。「Unreal Engine」の採用が示唆されていることからも、この話にはだいぶ信憑性がある。

 世界最大規模のIPと、世界最大規模のメタバース。ユーザー向けに自由なコンテンツ開発を開放した「UEFN(Unreal Editor for Fortnite)」の存在も相まって、『Fortnite』方面に大きな風が吹くことが予感される。詳細な時期は明かされていないが、ティーザームービーでは“soon(ish)”と示されている。「(わりと)近いうちに」というところか。登場に備えたいところだ。

■TBSが『VRChat』イベント開催を発表 豪華16組のアーティストが出演する音楽ライブ

 『VRChat』にも新たな風が吹き込んできた。VR音楽フェス『META=KNOT 2024 in AKASAKA BLITZ』の開催だ。

 TBSテレビが主催するこのイベントでは、『VRChat』を会場に、3月30日から4月20日の毎週土曜日に合計4回の音楽ライブが開催される。会場となる空間は、かつて「ライブの聖地」と呼ばれた「赤坂BLITZ」を再現したもの。出演アーティストは16組を予定し、すでに名取さな、春猿火&幸祜の2組が発表されている。いずれも、『VRChat』のライブは初めてのバーチャルアーティストだ。

 制作陣には、2023年11月に『CIEL LIVE SHOWCASE at VRChat』を企画・制作したEallin Japanと、クリエイティブチーム「MIGIRI」のTakaomi氏が参加。『VRChat』の限界を超えた400人収容を実現した気鋭のチームだ。そのほか参加を公表しているクリエイターたちも、この方面において実績豊富な面々だ。先端に立つクリエイティブと、名だたる出演陣による、期待のかかるイベントとなるだろう。

■相変わらず『VRChat』コミュニティと積極的にコラボするサンリオ

 2月19日よりスタートする『SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland』にも続報があった。1ヶ月近くオープンする「テーマパーク」となった本イベントだが、新たにゲームワールドが発表された。観客用アバターとして活躍する「Mochipoly(モチポリ)」の“製造過程”を体験できるリズムゲームや、銃をアイスクリームに置き換え、相手に「アイスを食べさせてあげる」というサンリオライクな対戦型シューターなど、今回は音楽パフォーマンスやパレード以外にも楽しめるコンテンツがそろっているようだ。

 また、『VRChat』向けアバターとして人気の高い3Dモデル『桔梗』『水瀬』『まめひなた』『あのん』の、サンリオキャラクターコラボ仕様モデルを試着できるコーナーもオープンする。コミュニティコラボも昨年に続きの開催となり、サンリオと『VRChat』ネイティブとの協働姿勢はさらにパワーアップしている。

 ビッグネームによるイベントだけでなく、一個人たちによるイベントも変わらず盛んだ。その最たる一例として、2月10日と11日に開催された『Cinderella Fes. 2ndLIVE』を紹介したい。2度目の開催となるアイドルフェスだ。

 『VRChat』を中心に活躍するアイドルが数多く出演するイベントだが、出演者・演出の質は共にハイレベルで、非営利イベントで実現できる中では最高峰に近い。そのうえで、ファンの声援を受けてステージに立ち、その声援にアイドルがステージ上から応える、アイドルの原点ともいえる姿を作り出す熱気がある。

 チーム制作に半年もの期間を費やしたというイベントながら、開催も配信も無償で行われているのだからすさまじい。コミュニティの熱量が成し得る到達点のひとつとして、こちらも多くの人にチェックしてほしいところだ。

■MyDearestの新作VRゲーム『Brazen Blaze』では“賞金稼ぎ”イベントが開催

 先週はMyDearest新作VRゲーム『Brazen Blaze』のオープンベータが開催された。「撃って殴って破壊する」がコンセプトの、言うなればVRで体感できる『スマブラ大乱闘スマッシュブラザーズ)』のようなアクションバトルゲームだ。単に殴り合うだけでなく、ビルなどのオブジェクトも破壊でき、場合によっては対戦相手を“大気圏外へ殴り飛ばす”こともできるという、スケール感の大きさも特徴的だ。

 アルファテスト時点でかなりの盛況だったようだが、ゲームキャスターも参加する企画も仕掛けるなど、さらに多くの人への訴求を図っている印象だ。また、「運営が用意した特定のアカウント」を撃破することで、1キルごとに1000円プレゼントされるという変則的なギフトキャンペーンも開催された。いわば“賞金首”をオフィシャルに用意し、プレイヤーに追わせるというバウンティハンターのような企画だ。これは素直におもしろい。

 また、円谷プロ東映アニメーションによるMRゲーム『KAIJU DECODE 怪獣デコード』も発表された。同作は2019年に発表された同名のプロジェクトおよび2021年に発表された短編映画・VRアニメーションの続編となる作品だ。内容としては円谷プロ東映アニメーションの作品に登場するキャラクターや怪獣が、マルチバース的にMR(複合現実)によって現実世界に現れるというもののようだ。

 ゲーム内容は両手を使うシンプルなリズムゲームのようだが、なにぶん関わっているコンテンツの豪勢さが目を見張るところだ。なお、本作が発表されたのは東映アニメーション初のVRイベント『Virtual Anime Fes』。こちらもなかなかに興味深いイベントだったのだが、その内容については後日、別の記事にてお伝えしよう。

(文=浅田カズラ)

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