大阪府警に逮捕された女性の被疑者が1月、胸を覆う下着をつけられないまま11日間勾留されていたことが、女性の代理人弁護士への取材で分かった。

大阪府警はTシャツ型のブラトップ(カップ付きインナー)の着用を認めているが、今回は女性にそのことを説明せず、女性はブラジャーをつけられないまま検察官の取り調べを受けていた。大阪府警は「不親切な対応だった」と釈明し、勾留中の被疑者が着用可能なブラトップを借りられる貸与の仕組みを導入したと明らかにした。

代理人弁護士は「全国の警察でブラトップの貸与制を導入してほしい」と訴えている。

⚫️取り調べを受けるのに下着は不可欠 ノーブラは「逮捕された時点で罪人扱い」

女性の代理人である松本亜土(あど)弁護士と大阪府警によると、女性は今年1月6日、口論になった夫を刃物で刺したとして殺人未遂の疑いで逮捕され、その後、傷害罪で起訴された。

女性は豊中警察署の留置場に入る際、着用していたスポーツ用ブラジャーを脱ぐよう指示され、その後1月17日に松本弁護士がブラトップを差し入れするまでの間、胸を覆う下着をつけないまま過ごした。

多くの留置場では自殺防止の観点からブラジャーの着用が禁じられているが、大阪府警は2018年12月から被疑者が希望すればTシャツ型のブラトップに限って着用を認める運用を始めた。しかし今回、大阪府警警察官は女性にこうした運用があることを説明していなかった。

松本弁護士は被疑者の女性と面会した時に下着を着ていないことを知り、大阪府警などに改善を申し入れた。面会時、女性は両手を胸の前で交差させて少し前かがみの状態で応じ、「逮捕された時点で罪人なんですよ」と話していたという。

松本弁護士は「相手の性別に関係なく、人と話す時にブラジャーを着けていないことは耐え難い。女性が辱めを受けることなく取り調べに応じるにはブラジャー必要不可欠です。大阪府警はブラトップの貸与制について周知徹底してほしい。そして、他の地域では同様の問題がまだまだあると思うので、弁護士が声をあげて全国的に変えていきたい」と話している。

11日間ノーブラで勾留、女性被疑者「逮捕で罪人扱い」 ブラトップ可の説明なく 大阪府警「貸与制」導入