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ダモ鈴木の死去を受け、Canの一連の作品を発売しているMUTEレーベルの創始者であるダニエル・ミラーの追悼文が公開された。

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1970年代初頭に西ドイツの伝説的ロックバンドCanのボーカリストとして活躍し、「Tago Mago」「Ege Bamyasi」「Future Days」といったアルバムに参加した鈴木。2度のがんを克服するも、2月9日にがんで亡くなった。

ダニエル・ミラーは彼について「ダモがどのように人生を生きたか、いまはっきりと思い起こすことができるのは、彼が自分自身に忠実で、過去ではなく未来を見つめながら、自らの活動範囲においてクリエイティヴに、思うがままそのやさしく屈託のない笑顔で行動する姿です」とコメント。「彼の死に対する圧倒的な悲しみとともに、彼が美しく、心優しくクリエイティヴな魂で思うがままに自らの人生を全うしたことに、ある種前向きな気持ちを抱きました」と語っている。

ダニエル・ミラー 追悼文

「ダモがどのように人生を生きたか、いまはっきりと思い起こすことができるのは、彼が自分自身に忠実で、過去ではなく未来を見つめながら、自らの活動範囲においてクリエイティヴに、思うがままそのやさしく屈託のない笑顔で行動する姿です。」- ダニエル・ミラー

土曜日に、その前日ダモが亡くなったというニュースが入ってきたとき、彼の死に対する圧倒的な悲しみとともに、彼が美しく、心優しくクリエイティヴな魂で思うがままに自らの人生を全うしたことに、ある種前向きな気持ちを抱きました。

多くの人々と同様に、私たちは1971年から1973年までのCANとの仕事を通じてダモを知ることになったのですが、それに続く彼の人生の在り方もまた非常に感動的なものでした。彼はまたCAN以前の生活に戻り、さまざまな場所を訪れる音楽の“魔法使い”として、世界を旅し、音楽を共有したいと思うすべての人と演奏してまわったのです。

MUTEでは1980年代の後半以降、CANの音楽をリリースする幸運に恵まれており、CANの音楽とともに未だミステリアスな彼らの存在を出来得る限り今に蘇らせる役割の一翼を担っています。というのも、CANとダモは常に未来の存在であり、過去はおろか現在に縛ることさえほぼ不可能だからです。

私たちの想いはダモの家族と共にあり、彼の魂に感銘を受け、今後も感銘を受けるであろうすべての人々に私たちの愛が広く届きますように。

ダモ鈴木