AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16・ファーストレグが13日に行われ、山東泰山(中国/G組2位)と川崎フロンターレ(日本/I組1位)が対戦した。

 グループIを5勝1分と無敗のまま首位で突破した川崎F。オフシーズンを挟んで迎えた2024年の初戦では、グループIを4勝2敗の2位で突破した山東泰山と激突する。川崎Fを率いて8年目となる鬼木達監督は、脇坂泰斗や橘田健人ら従来の主力選手に加えて、新戦力である山本悠樹とエリソンを先発に起用。ベスト8進出に向けアウェイでの先勝を狙う。

 試合の立ち上がりは、山東泰山がカウンターで複数のチャンスを作り出す。対する川崎Fも、8分に相手のコーナーキックをGKチョン・ソンリョンがパンチングで弾き出すと、ボールを拾ったマルシーニョがドリブルで運んで前進。脇坂とのパス交換から再びボールを持つと、ボックス右角に走り込んできた山本に、右足のアウトサイドで浮き球のスルーパスを送る。山本はダイレクトでGKの頭上を狙ったシュートを放ったが、わずかに枠の上へと外れてしまった。

 すると、24分に川崎Fが左サイドでコーナーキックを獲得。脇坂が蹴り入れたボールが相手選手のハンドを誘発し、川崎FがPKを奪取する。キッカーを務めたエリソンは、ゴール右下に鋭いシュートを流し込み、新戦力の貴重な先制点でリードを奪った。

 勢いに乗る川崎Fは、33分に中盤でボールを奪った佐々木旭が、ドリブルでDF1枚をかわして中央を突破。右サイドで待つ家長昭博に展開すると、内側のスペースを駆け上がってきた脇坂に繋ぎ、右足で逆サイドの裏へと大きなボールを送る。スプリントしてきたマルシーニョが勢い良くクロスに対して飛び込むと、鮮やかなダイビングヘッドでネットを揺らし、川崎Fが大きな追加点を挙げた。

 44分には、山東泰山に決定機が訪れる。右サイドで山東泰山が得たスローインの流れから、川崎Fの山本がクリアしたボールがガオ・ジュンイーに跳ね返ってDFラインの背後に転がり、リ・ユアンイーが裏へと突破。右足でゴール前に低いクロスを入れると、走り込んできたチェン・プーがワンタッチで合わせる。しかし、至近距離で触れられたシュートをGKチョン・ソンリョンがビックセーブで防ぎ、川崎Fがなんとかピンチを凌いだ。

 2点リードで後半を迎えた川崎Fは、60分に相手のフリーキックをクリアした家長のボールにマルシーニョが反応。完全に独走状態となり、GKと1vs1の局面を作り出したものの、縦突破を試みたドリブルを手で触れられ、チャンスを得点に結びつけられない。ビッグチャンスを仕留めきれずにいると、67分にボックス手前でボールを持った山東泰山のフェルナンジーニョが、プレスをかけた瀬川祐輔を外して左足を振り抜く。コントロールされたシュートはゴール左下に吸い込まれ、山東泰山に1点を返された。

 攻勢を強める山東泰山は、左サイドでコーナーキックを獲得すると、ニアサイドでマテウス・パトが逸らしたボールがファーサイドに流れる。セカンドボールの先に待ち受けていたクリサンが放ったヘディングはポストに直撃。山東泰山がこぼれ球を立て続けにシュートへと持ち込むが、川崎Fの選手たちが体を張ってブロックした。

 押し込まれる時間が続いた川崎Fだが、79分に家長がチームを救う。GKチョン・ソンリョンが大きなパントキックで前線にボールを送ると、山田新がヘディングで競り勝ちパスを供給。ボールを受けた家長がファーストタッチでマーカーの前に体を入れ込むと、浮き球を左足で叩き込んでゴールイン。川崎Fが再びリードを2点に広げた。

 その後は、85分にジャジソンからゴールを奪われたものの、集中力を保った川崎Fが相手のパワープレーを跳ね返し続け試合は終了。3-2で勝利した川崎Fがファーストレグを先勝した。ベスト8進出をかけたセカンドレグは、20日に川崎Fのホーム『Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu』(※ACLでは退会規定により『等々力陸上競技場』表記)で開催される。

【スコア】
山東泰山 2-3 川崎フロンターレ

【得点者】
0-1 28分 エリソン(PK/川崎F
0-2 33分 マルシーニョ(川崎F
1-2 67分 フェルナンジーニョ(山東泰山)
1-3 79分 家長昭博川崎F
2-3 85分 ジャジソン(山東泰山)

【動画】新加入のエリソンが貴重な先制点を奪取!


山東泰山と対戦した川崎フロンターレ [写真]=Getty Images