ワンダーフェスティバル

11日、千葉・幕張メッセで模型とフィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル2024冬」(以下ワンフェス)が開催。その会場内に、とある使命を果たすべく「カプセルトイ自販機」が設置され話題を集めた。

 
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■被災地の名物をフィギュア化し…

ワンダーフェスティバル

この日、造形師・丸山達平さんが代表を務める「株式会社TAPP」(富山・射水市)ブースでは、能登半島地震の被災地支援企画「復興ガチャ」を実施。

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カプセルトイ自販機の売上を支援金として寄付するというもので、カプセル内にはズワイガニや氷見ブリ、シロエビ、ホタルイカなどの“箸置きフィギュア”が。どれも被災エリアである富山湾を代表する海の幸で、ワンフェスのため急ピッチで製作を進めた作品だ。

 

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■仕掛け人の丸山さんを直撃

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「今回の大地震で、石川県をはじめ富山県内の漁港や住宅も大きな被害を受けました。『何か地元を応援できないか』と、考えたのが復興ガチャ。僕らはやっぱりものづくりの人間なので、富山の名産物をフィギュア化して販売し、売上全額を寄付しようと考えたのです」と、丸山さん。

ワンフェス開催前、このプロジェクト内容をX(旧・Twitter)でつぶやいたところ、「ぜひ協力したい」と各地の原型師、造形師から声が上がった。もちろん制作費、材料費などはすべて各自の持ち出しだ。

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■賛同者たちの作品も

ワンダーフェスティバル

「自販機は2つ設置し、ひとつは我々が製作したフィギュア。もうひとつ(上写真)は、ご賛同いただいた皆様の作品がランダムに入っています。募金箱にお金を入れるスタイルでも良いのですが、ここはワンフェスの会場なので、ファンの方はフィギュアをゲットしつつ、寄付もできるという形にしたかったのです」(丸山さん)。

自販機前にできたファンの行列が途切れないまま、用意したカプセルトイはすべて完売。宣言どおり売上125,000円は13日に全額寄付された。

 

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■「『ONE PIECE』熊本復興プロジェクト」

最後にぜひ書き添えておきたいエピソードがある。それが2016年に発生した熊本地震の復興プロジェクトだ。

この時は、地元出身の漫画家・尾田栄一郎氏を中心に、集英社、そして熊本県が協力し「『ONE PIECE』熊本復興プロジェクト」を実施。県内各地にルフィをはじめとする合計10体のキャラクター銅像が設置され、新たな観光名所としていまも大きなにぎわいを生み続けている。

じつは、その銅像すべての原型を担当したのが丸山さんでもあるのだ。ものづくりの技術を活かして、今後も笑顔を創出していく。

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