クリストファー・ノーラン監督の最新作「オッペンハイマー」が、公開初日の3月29日より全国のIMAX劇場50館で同時公開されることが決定した。

【フォトギャラリー】IMAXカメラで撮影するノーラン監督と撮影監督のホイテマ<メイキングカット>

本作は、原子爆弾の開発に成功したことで"原爆の父"と呼ばれたアメリカの物理学ロバートオッペンハイマーを題材にした歴史映画。2006年のピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く。第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞をはじめとする最多13部門にノミネートされた。

キリアンマーフィーが主演を務め、エミリー・ブラント、マット・デイモンロバートダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーらが共演した。

第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加したオッペンハイマーは優秀な科学者たちと共に世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り――激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれていく。

第96回アカデミー賞で撮影賞にノミネートされた撮影監督のホイテ・バン・ホイテマは、「インターステラー」以降、ノーラン監督のすべての長編作品でタッグを組んでいる。ノーラン監督とホイテマは、本作でIMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた最高解像度の撮影を実践。加えて、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影を実現した。

ノーラン監督は、オッペンハイマーの視点から語られるシーンを、映画の脚本としては異色の一人称で書き、カラー映像で表現。彼の内面を象徴的に表わす、感情を揺さぶる抽象的なイメージとモンタージュされている。そして、第二次世界大戦後のアメリカの原子力政策に大きい影響力を持っていた人物ルイス・ストローズを中心とする場面はモノクロ映像で表現し、視覚的に描き分けた。

ノーラン監督は、「私とホイテが採用した撮影スタイルは、非常にシンプルだが、力強いものだ」と明かし、「映画の世界と観客との間にいかなる障害もないこと、モノクロ映像以外、様式化されたところのない映像だった。特にカラー映像の場面は飾り気がなく、シンプルな映像を望んだ。できるだけ自然で、世界の肌触りを伝えてくれるようなものだ。衣装であろうと、セットであろうとロケであろうと、現実世界の複雑な細部を追い求めた」と語っている。

オッペンハイマー」は3月29日から公開。ムビチケ(一般:1600円/税込)は2月16日発売。

3月29日全国公開 (C)Universal Pictures. All Rights Reserved.