国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構JAXA)では、国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟のアジア利用拡大及び人材育成としてのSDGsへの貢献に資するため、アジア・太平洋地域の青少年を対象とした国際協力プロジェクト「アジアントライゼロG 2023」を2024年2月13日に実施しました。

 アジアントライゼロGとは、アジア・太平洋地域における宇宙環境利用の普及を図るため、軌道上での簡易実験アイデアを各国の青少年を対象に募集し、選定された実験をISS長期滞在の宇宙飛行士が「きぼう」で行うプログラムです。参加機関は、それぞれ自国内で実験アイデアを募集し、共通の基準に従って候補テーマを審査・選考します。各国から候補テーマを持ち寄り、全参加機関により最終選考を行います。最終選考の過程では、JAXAの専門家や日本人宇宙飛行士による、各候補テーマの宇宙実験としての実現性検討も行います。

参加機関は、上記作業をJAXAと協働で行い、宇宙実験としての実現性検討や簡易フライト品の搭載作業にも取り組み、これらの経験が各国での「きぼう」利用推進に役立てられます。 

 今年は日本を含むアジア・太平洋地域の9つの国・地域の学生570名から245件の応募がありました。参加国・地域の宇宙機関による最終選考で16件の宇宙実験テーマが選定され、古川聡宇宙飛行士が国際宇宙ステーションの「きぼう」にて実施しました。選定された実験テーマの提案者49名のうち、タイ、インドネシアフィリピンシンガポールなどのアジア地域から来日した学生や日本の学生総勢38名とその引率者が筑波宇宙センターを訪問し、金井宇宙飛行士からの解説を交え、古川宇宙飛行士が実施する自分たちの提案した実験を見守りました。 

実験内容を事前に発表する参加学生たち

運用管制室の見学室から実験を見守る学生たち

「きぼう」にて磁力線の観察を行う古川聡JAXA宇宙飛行士

≪概要≫

日時2月13日(火) 16:30 - 21:30

参加国・地域五十音順):インドネシアオーストラリアシンガポール、タイ、台湾、日本、ネパールバングラデシュフィリピン

実験内容(実施順)

順番国・地域テーマ名

1)オーストラリア・・十字物体のひねり回転実験

2)タイ・・紐と二つのボールの動きの観察

3)インドネシア・・微小重力下でLato-latoの動きを試してみよう

4)インドネシア・・Lato-latoによる宇宙での完全弾性衝突

5)バングラデシュ・・磁力線の観察

6)台湾・・微小重力下におけるマグナス効果

7)シンガポール・・微小重力下でのマグナスグライダーループ

8)タイ・・水球と静電気力

9)フィリピン・・微小重力下でのオロイドの動き

10)日本*・・微小重力環境の毛細管現象における液面上昇加速度の変化

11)シンガポール・・Zero-G サイフォン

12)台湾・・吹いた息で動こう

13)日本**・・ ロープを使った柔軟体操

14)フィリピン・・ ゴムバンドを使った無重力エクササイズ

15)タイ・・ 無重力下でのヒトデ体操

16)日本***・・ 空気椅子でゴム体操

*  東京学芸大学附属高等学校

** 兵庫県明石市立野々池中学校

*** 新居浜工業高等専門学校

■関連情報

1. アジアントライゼロGについて

https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/kuoa/tryzerog/

2.アジアントライゼロG 2023募集のお知らせ

https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/news/detail/002998.html

3. アジアントライゼロG 2023 実験テーマ選定

 https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/news/detail/003266.html

4. スチール画像素材

配信元企業:国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門

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