チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)ファーストレグが13日に行われ、レアル・マドリードは敵地でライプツィヒを1-0で下した。同試合でレアル・マドリードのゴールマウスを守ったウクライナ代表GKアンドリー・ルニンのセーブ数が話題となっている。

 試合の前半はライプツィヒがボールを握る時間が多く、スロベニア代表FWベンヤミン・シェシュコが何度もレアル・マドリードのゴールを脅かしたが、ルニンが安定感のあるパフォーマンスでゴールを死守。スコアレスで後半へ折り返すと、立ち上がりの48分にはスペイン人MFブラヒム・ディアスが圧巻の個人技から先制点を奪う。その後、さらに勢いを増したライプツィヒの攻撃陣が襲いかかってきたが、その度にルニンが躍動。62分には最終ライン背後へ走ったシェシュコへのスルーパスが出されるも、素早く飛び出してピンチを未然に防ぐ。それだけでなく、シェシュコ、スペイン代表MFダニ・オルモ、オランダ代表MFシャビシモンズらのシュートも次々とセーブし、ゴールを割らせない。最終的にレアル・マドリードは1-0と敵地で先勝した。

 データサイト『Opta』によると、同試合でルニンが記録したセーブ数は「9」。これはラウンド16がノックアウト方式で行われるという現行のフォーマットとなった2003-04シーズン以降、レアル・マドリードクリーンシートを達成したCLの試合における最多タイの数字だという。2021-22シーズンのCL決勝、リヴァプールとの一戦(○1-0)でベルギー代表GKティボー・クルトワが記録したセーブ数と同じだったようだ。

 UEFA欧州サッカー連盟)によると、試合後にレアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督は「我々はもっと多くの得点を挙げられたとは思っている。だが、ライプツィヒからしたら、引き分けに持ち込むことができたゲームだっただろう。それは認めざるを得ない」とした上で、「ルニンがこの試合を素晴らしいものにしてくれた。恐らく、彼が我々の一員となってからベストのパフォーマンスだった」と新たな“守護神”を称賛した。

 今シーズンのレアル・マドリードでは、長らく“守護神”の座に君臨してきたクルトワが、ラ・リーガ開幕節を前にしたトレーニングで左ひざ前十字じん帯を断裂。現在は長期離脱を強いられている。このケガの影響で、ルニンはラ・リーガ開幕からの2試合で出場機会を得た。しかし、チェルシーからスペイン代表GKケパ・アリサバラガがレンタル移籍加入してくると、第3節以降は再びベンチを温めることに。それでも、11月にケパが負傷して再びチャンスを得ると、以降は正守護神として起用される試合が多く、ここまで公式戦通算17試合でゴールマウスを守っている。

 アンチェロッティ監督は「今現在レギュラーとしてプレーしていることが、彼にさらなるモチベーションと自信を与えている。今日の試合は傑出したパフォーマンスだった」とコメント。クルトワの負傷後、ケパの加入によって1度はバックアッパーに戻ったものの、自らのプレーで価値を証明し続けているルニンを褒め称えた。

 セカンドレグは3月6日レアル・マドリードが本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』にて開催される。クルトワの不在を感じさせないパフォーマンスを見せたルニンの、セカンドレグでのプレーにも注目だ。

ライプツィヒ戦で好セーブを連発したルニン [写真]=Anadolu via Getty Images