連休明け14日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比23.37ポイント(0.15%)高の15769.95ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が33.53ポイント(0.63%)高の5340.32ポイントと4日ぶりに反発した。売買代金は317億9000万香港ドルとなっている(半日立ち会いの9日は312億8190万香港ドル)。
 自律反発狙いの買いが優勢となる流れ。指数は安く始まったが、このところ急ピッチな下げが続いていただけに、値ごろ感が着目され、前引けにかけてプラスに転じた。大型連休中の人出が復調していると伝わる中、消費活動の回復期待も強まっている。もっとも、買い進む動きは限定的。昨夜の米株が大幅に下げたことや、中国経済の先行き不安がくすぶっていることもマイナスだ。また、本土市場が春節(旧正月)連休で休場(19日に取引再開)とあって、積極的な売買も手控えられている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中堅行の招商銀行(3968/HK)と中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)がそろって1.9%高、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が1.8%高と上げが目立った。
 セクター別では、マカオのカジノ関連が高い。美高梅中国HD(2282/HK)が7.3%、銀河娯楽集団(27/HK)が4.3%、永利澳門(1128/HK)が3.9%、金沙中国(1928/HK)が2.4%ずつ上昇した。連休中の売上増が期待される。マカオ旅遊局の発表によると、中国の春節連休3日目まで(10~12日)のマカオ訪問客数は1日当たり平均16万7441人となり、前年同期比で160.3%増加。同局の事前予想(12万人)を上回るペースとなっている。
 自動車セクターの一角もしっかり。小鵬汽車(9868/HK)が5.9%高、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が4.9%高、五菱汽車集団HD(305/HK)が3.2%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.2%高で引けた。
 半面、中国不動産セクターの一角は安い。華南城HD(1668/HK)が34.0%、龍湖集団HD(960/HK)が3.3%、中国海外宏洋集団(81/HK)が3.0%、遠洋集団HD(3377/HK)が2.9%ずつ下落した。華南城は業績不振を背景に、債務不履行デフォルト)の警戒感が高まっている。
 医薬セクターの一角も急落。創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が14.4%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が9.5%安と値を下げた。対外圧力を懸念。米超党派議員グループは12日、両社が中国共産党中国人民解放軍と結び付いており、米国の安全保障を脅かしているとする書簡を提出した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)