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(写真:時事通信

’16年の『逃げるは恥だが役に立つ』や’18年の『アンナチュラル』(ともにTBS系)といった人気ドラマ、さらに現在公開中の映画『カラオケ行こ!』など数々の話題作の脚本を手掛けてき脚本家の野木亜紀子氏(50)。野木氏と作家のわかつきひかる氏とのXでのやり取りで明かされた、脚本家の厳しい実情に注目が集まっている。

2月13日、わかつき氏がXでテレビ東京でドラマ・プロデューサーを務めていた桜美林大学教授の田淵俊彦氏によって書かれたニュース記事を引用。「1本あたりの1時間ドラマの脚本料は、脚本家のランクにもよるが、だいたい100万円前後」と記事内の記述を引用し、《知らなかった。脚本料って高いんだ》とポストしたところ、野木氏はこう返信した。

《突然すみません。見かけて私も驚きましたが、100万はキャリアのある上位グループでオリジナルが多いかと。深夜は安いし、月9のオリジナルでも新人は20万円などあり、暮らせないレベルです。この記事、元テレ東の人ですが、テレ東は制作費が安く100万なんて絶対に出せないのに何の数字なのか……?》

また野木氏は記事に書かれていた「脚本をめぐって原作者との合意に至らなかった場合、脚本はボツとなり、テレビ局側は1100万が無駄になる」というくだりについて《ありえないです。大体契約も支払いも後からで、ボツだと払わないというやりがい搾取がまかり通っている業界ですよ……》とコメント。

さらに《絶対と書いたけどもしや昔はテレ東もそれくらい出せていたのか?と不安になったので、いま聞いてみています。突然リプライしてすみませんでした。とはいえ、現代において平均100万前後はまずないのでご安心ください……悲しい話ですが……》と続けると、約1時間後にこう綴った。

《確認とれたので繋げておきます。当該の方はビックジェット案件や有名脚本家のオリジナル作が多く、あのような認識になっているのでは、とのこと。現在の相場額も聞きましたが、やはり100万を大きく下回るケースがほとんどを占め、特にゴールデンタイム以外は本当に厳しい脚本料のようです》

ドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)の原作者である漫画家・芦原妃名子さん(享年50)が急逝したことで、脚本家という仕事に注目が集まるなか、“脚本業のリアル”を明かした野木氏。”参考になる”とありがたがる声が相次いであがったほか、「月9のオリジナルでも新人は20万円」「脚本料は100万円を大きく下回るケースばかり」といったこれまでのイメージよりも低いギャラ相場に、驚く人も多いようだ。

《野木さんが実情を公にしてくださることが本当に救い。各分野でクリエイターやりがい搾取されすぎ問題、そろそろ限界な気がするけど、だからといってどこから手をつけたら改善するのでしょう…》
《元の記事を読んで、「あれ? ドラマ脚本家の報酬ってそんな金額にはほとんどならないんじゃ? でもそんなに詳しい業界じゃないしなあ」と思ったら、貴重な証言が。》
《やっぱり買いたたかれてる層もあるようで辛い》
《なかなか難しく、厳しい仕事ですね》