連休明け14日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比132.80ポイント(0.84%)高の15879.38ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が79.52ポイント(1.50%)高の5386.31ポイントと4日ぶりに反発した。売買代金は570億6440万香港ドルとなっている(半日立ち会いの9日は312億8190万香港ドル)。
 自律反発狙いの買いが優勢となる流れ。指数は安く始まったが、このところ急ピッチな下げが続いていただけに、値ごろ感が着目され、前引けにかけてプラスに転じた。大型連休中の人出が復調していると伝わる中、消費活動の回復期待も強まっている。もっとも、買い進む動きは限定的。昨夜の米株が大幅に下げたことや、中国経済の先行き不安がくすぶっていることもマイナスだ。また、本土市場が春節(旧正月)連休で休場(19日に取引再開)とあって、積極的な売買も手控えられている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が5.6%高、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が5.5%高、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が5.4%高と上げが目立った。フードデリバリーも手がける美団に関しては、春節連休中の利用増もプラス材料。同社によると、登録住所と異なる場所を受取先に指定した「年夜飯(年越し料理)」のデリバリー注文件数は前年同期比で29%増加した。
 セクター別では、マカオのカジノ関連が高い。美高梅中国HD(2282/HK)が9.6%、銀河娯楽集団(27/HK)が3.5%、永利澳門(1128/HK)が3.2%ずつ上昇した。連休中の売上増が期待される。マカオ旅遊局の発表によると、中国の春節連休3日目まで(10~12日)のマカオ訪問客数は1日当たり平均16万7441人となり、前年同期比で160.3%増加。同局の事前予想(12万人)を上回るペースとなっている。そのほか、映画関連で猫眼娯楽(1896/HK)が3.0%高、阿里巴巴影業集団(1060/HK)が2.4%高。春節連休中の映画興行が活況だと伝わった。
 自動車セクターも物色される。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が11.1%高、小鵬汽車(9868/HK)が7.9%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.4%高、理想汽車(2015/HK)が2.3%高で引けた。
 半面、非鉄や鉄鋼、セメントなど景気動向に敏感な素材セクターは安い。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.4%、江西銅業(358/HK)が3.3%、鞍鋼(347/HK)が4.7%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.6%、北京金隅集団(2009/HK)が6.2%、中国建材(3323/HK)が2.6%ずつ下落した。
 悪材料のある医薬2銘柄も急落。創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が18.6%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が9.2%安と値を下げた。対外圧力を懸念。米超党派議員グループは12日、両社が中国共産党中国人民解放軍と結び付いており、米国の安全保障を脅かしているとする書簡を提出した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)