趣里がヒロインを務める連続テレビ小説ブギウギ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。2月15日放送の第95回でスズ子(趣里)の幼なじみ・タイ子(藤間爽子)のその後が明らかになった。涙ながらにつらい心情を吐露するタイ子に視聴者からも共感の声が上がり、SNSでは「タイ子ちゃん」がトレンド入りした。(以下、ネタバレがあります)

【写真】苦しむ藤間爽子“タイ子”と、説得しようとする趣里“スズ子”

■心を閉ざすタイ子ちゃんに、スズ子は…

ブギウギ」は昭和の大スター・笠置シヅ子をモデルにしたオリジナル作品で、歌手・福来スズ子の波瀾(はらん)万丈の人生の物語。第20週「ワテかて必死や」では、「東京ブギウギ」で空前のヒットを飛ばしたスズ子のその後が描かれている。

偶然の再会を果たしたものの、「手助けなんてやめて。他人のあんたには関係ない」とスズ子を拒絶するタイ子。夫が戦死し、身寄りもない中で自分も病気になり、苦しい生活を送っていた。スズ子は、心閉ざしたままのタイ子を放っておけない。「ほな、思い出さしたる!」と、タイ子の前に座り込んで昔語りを始めた。

■「聞こえてくんねん、ブギウギいう歌が」

一緒に夏祭りに行ったことや、お稽古を頑張ったこと…スズ子の話は、幸せだった日々を思い出させるものばかり。「やめて!」と号泣するタイ子。それでも「やめへん!」とタイ子を抱きしめ話し続けるスズ子に、タイ子は「こんな不幸のどん底にいてんのに、聞こえてくんねん、どこにいたかてあんたブギウギいう歌が。地べたはいつくばって、なんとか生きてんのに…。夢かなえた鈴ちゃんとウチとは天と地や…」と泣き崩れた。

鈴子のことが嫌いになったわけではない。それでも、“福来スズ子”として輝いている鈴子が妬ましく、自分がますます不幸で惨めに感じてしまう。だから鈴子の顔も見たくないし、歌も聴きたくない…。タイ子のそんな人間らしい感情に、視聴者からも共感の声が集まった。

「タイ子ちゃんのしんどさがつらい。東京ブギウギも嫌いになるのわかる」「人気歌手になった鈴子と、病気して息子を働かせてる自分…そりゃあ惨めな気持ちになるよ」「泣きじゃくるタイ子ちゃん…今までいろんなことを我慢してたのが決壊したんだね。私の涙腺も決壊」「鈴ちゃんの優しさが余計にタイ子ちゃんを傷つけてる。幼少期と同じ」などタイ子の心情に寄り添う声が多く上がり、X(旧Twitter)では放送後、「タイ子ちゃん」が日本のトレンド6位まで浮上した。

また、タイ子役・藤間の演技にも反響が続々。「藤間爽子さん、演技すごい」「号泣の演技に見入ってしまった」「演技とは思えなかった」といった声のほか、朝ドラファンからは「薄幸の美人そのもの。タイ子ちゃんのキャラクターによく合ってる」「藤間爽子さん、『おしん』の田中裕子さんの風情がある。美しい」「料亭の一人娘から、戦後パンパンに身を落とした『カーネーション』の奈津ちゃんを思い出した」といった感想も飛び交った。

■「あさイチ」登場で「どうしたらいいのか…」

この日の放送後には「あさイチ」にタイ子役の藤間爽子とおミネ役の田中麗奈がゲストで登場。オープニングの朝ドラ受けでは、博多華丸が「このタイミングでタイ子さんに(番組に)来られると、どう対応していいか私もね…」としどろもどろ博多大吉が「藤間さんは悪くないです」、鈴木奈穂子アナウンサーも「お呼びしたのはこちらですから(笑)」とフォローする中、藤間も「私もあまり話せないので、どうしたらいいのか…」と困惑しながら受け、スタジオを沸かせていた。

幼き日、タイ子の恋を後押ししようと張り切り過ぎて失敗した鈴子を「ええよ」とおおらかに受け入れ、「なんかすっきりしたわ。義理、返してもろたわ」と微笑んだタイ子。再会し、心を固く閉ざしたタイ子の口からは「施しを受ける義理はありません」という冷たい言葉も飛び出したが、その心が溶ける日は来るのだろうか。

藤間爽子“タイ子” 「ブギウギ」より/(C)NHK