ラス・パルマスは14日、MFホセ・カンパーニャのフリー加入と、主将MFキリアンロドリゲスとの契約延長を発表した。なお前者は、今シーズン終了までの契約で、1年間の契約延長オプションが付帯しているとのこと。後者は2028年夏までの契約と併せて伝えている。

 ラ・リーガ第24節終了時点で、10勝5分9敗の8位につけるラス・パルマス。本拠を置くグラン・カナリア島は国内有数のテクニシャン採掘場で、生粋の“ラ・マシアっ子”であるガルシア・ピミエンタ監督が志向するスタイルにマッチする選手は多士済々。そんな、昇格組ながら欧州大会出場権を争うほどの躍進を見せているラス・パルマスは、“バレンタイン”に最愛のファンを喜ばせる2つのプレゼントを開けた。

 1つ目は、奇しくも昨年4月に、レバンテの選手として臨んだラス・パルマス戦で右膝前十字じん帯断裂の重傷を負い、そのままシーズン終了後に7年間在籍したクラブを退団し、無所属となっていたMFホセ・カンパーニャの電撃加入だ。ラ・リーガ屈指の“パサー”として名高い現在30歳はセビージャカンテラ出身。トップチームでは主力に定着することができずに、クリスタル・パレスニュルンベルクポルトなど国内外のクラブを転々としていたが、2016年夏に加入したレバンテでキャリアの転機を迎える。すぐさま定位置を確保した同選手は、2018-19シーズンのラ・リーガで36試合に出場し4得点9アシストを記録するなど大ブレイク。その後も好調を維持すると、2020年10月にはスペイン代表デビューをも飾っていた。

 また、“ワン・クラブ・マン”のMFキリアンロドリゲスとの契約延長も完了した。2014年にラス・パルマスのカンテラに入団した現在27歳は、2019年6月のトップチームデビュー以降、ここまでクラブ公式戦129試合に出場し12得点11アシストをマークしている。2022年夏には、ガンの一種であるホジキンリンパ腫を発症したものの、脅威的な回復力を見せて昨年4月にピッチに復帰。そして今シーズン、闘病生活を乗り越えて掴んだ自身初となるラ・リーガの舞台で、躍進するクラブの“心臓”として君臨。ここまでリーグ最多のパス成功本数(1633本)を記録している他、1月度のラ・リーガ月間MVP賞にも輝いた。

 素敵な“バレンタインデー”となったラス・パルマス。今度は、ラ・リーガで欧州大会の出場権を獲得し、もう一度ファンを喜ばせたいところだ。

フリー加入のMFホセ・カンパーニャ(左)と、契約延長のMFキリアン・ロドリゲス(右) [写真]=Getty Images