バブアーの名作ジャケット「ビューフォート」をチェック

【英国トラッドの境地】バブアー「ビューフォート」が現代にちょうどいい!/編集長 奥家の『コレ買いです』Vol.43の画像一覧

モノ・トレンド雑誌売上No.1「MonoMax」の編集長・奥家が、今一番気になるモノやトレンドを紹介する連載企画。今回は、大人の男性であれば誰もが欲しくなるバブアーの名作ジャケット「ビューフォート」をチェックします!

改良されたワックスコットンの出来に驚いた!

英国トラッドを代表するブランドといえば、バブアー。1894年にサウスシールズで創業し、現在までに5代の家族経営を続ける中で英国の伝統的なモノづくりを継承してきたブランドです。漁業や造船業が盛んな街であったことから、漁師や港湾従事者に向けて防寒性と防水性のあるワックスコットン製のウエアを開発していたのが原点。乗馬やハンティングなどカバー領域を広げ、英国民はもちろん英国王室まで愛用者を増やしていきました。

クラシックなワックスジャケットの一部は今もなお英国の工場において手作業で製造・修理されているという話で、“洋服”のルーツといえる西洋のファッションを味わうには最高のお手本なんですよね。

バブアー ビューフォート ¥66,000(税込)

バブアー
ビューフォート
¥66,000(税込)

今回ご紹介する「ビューフォート」も、バブアーの原点であるワックスコットンを使用したクラシックな一着です。

100%コットン生地に、職人が丁寧にワックスを塗り込ませたもの現在にしては珍しい生地ですので、触れたこともない人も多いかも知れません。ワックスコットンという名称から想像できるように、ぎっちり織り込まれた100%コットン生地に、職人が丁寧にワックスを塗り込ませたものになります。このワックスが繊維や織り目に浸透することで隙間をふさぎ、防寒性や耐水性を高めるというわけです。これこそが、130年の歴史を感じさせる伝統の質感。実用性もすばらしいですし、化繊生地とは違う深みのある光沢感も魅力なんです。

ただ、以前のワックスジャケット愛用者からは「ちょっとにおうかも……」「触るとベタつく……」という意見もありました。かくいう私も、そう感じていたうちの一人。しかし現在はワックスの品質が改良されていて、嫌なにおいはありませんしベタつきもほとんど感じないレベルに進化しています。古くからのバブアーファンこそ、最新のワックスコットンの出来を味わってみてほしいですね。だいぶ印象が変わると思います。

狩猟用ジャケットらしい実用性やデザインに魅せられた!

バブアーには多くの定番ジャケットが存在しています。特に有名なのが3モデルで、乗馬用に開発された「ビデイル」、フライフィッシング用で短丈の「スペイ」、そして最後が狩猟用で長丈の「ビューフォート」です。

「ビューフォート」は着丈が長めジャケットをよく着る者としては、「ビューフォート」がいいんですよね。「ビデイル」も着丈感をジャストで合わせられるのですが、よりロングな「ビューフォート」のほうが余裕があるし、前を開けた状態でも様になりやすい。前を開けると、バブアータータンと呼ばれるオリジナルのタータン柄がチラリと見えるのも小洒落た感じがしていいんです。

背面に左右どちらからでもアクセスできる大型のポケットまた狩猟用に開発されたジャケットですので、上品な見た目の中に屋外における活動を前提とした仕様が散りばめられているのも「ビューフォート」ならではの魅力です。

そのことを示す最大の特徴が、ゲームポケットの存在でしょう。背面に左右どちらからでもアクセスできる大型のポケットのことで、もともとは狩った獲物を入れて持ち帰るために設けたものだとか。現代社会で獲物入れてしまうと大変なことになってしまいますが、代わりにペットボトルやタブレットなど、けっこう大きな荷物を入れておけます。寒い時期は温かい飲み物を入れておくと、収納できるし保温もしてくれるしで便利でした。ちょっとしたボディバッグ代わりになるので、できるだけ手ぶらで過ごしたい人にもぴったりですね。

チンストラップがついているので、寒いときは襟を立てて首元を覆うこともできる腕を動かしやすいラグランスリーブ仕様なのも野趣なスタイル。チンストラップがついているので、寒いときは襟を立てて首元を覆うこともできます。襟にはコーデュロイ生地が使われていますから、肌当たりも良好です。

ハンドウォーマーも装備腰元にハンドウォーマーを備えているのも、バブアーのジャケットの特徴です。ここに両手を突っ込んで佇むスタイルがかっこいいんですよね。しかも「ビューフォート」は長丈なので、ハンドウォーマーの位置が「ビデイル」よりも下のほうにあり、よりゆったりと構えられました。

袖口には隠しリブがある袖口には隠しリブがあり、面ファスナーで手元を留められる作り。寒さが厳しいとき、これがあれば防風性がかなり高まりそうです。

【総評】今こそ「ビューフォート」の実力が発揮される時代に!

「ビューフォート」を羽織ってみれば、バブアーが130年にわたって世界中で愛されている理由がよくわかった気がします。狩猟はやりませんけど、その根底にあるモノづくりへの考えや理想って、きっと現代社会で通じる部分も多いんですよね。特にオンとオフ、仕事とプライベートの境界線が曖昧になっていく今、このクラシックなジャケットはますます本領を発揮していくのだと思いました。

ゲームポケットにデジタルガジェットという“獲物”を入れて、外の世界へ繰り出しましょう!

問い合わせ:バブアー パートナーズ ジャパン
TEL:03-6380-9170

公式webサイトはコチラ

構成/横山博之 撮影/村本祥一(BYTHEWAY) スタイリング/小林知典

【英国トラッドの境地】バブアー「ビューフォート」が現代にちょうどいい!/編集長 奥家の『コレ買いです』Vol.43