西島秀俊主演の日曜劇場さよならエストロ~父と私のアパッシオナート~」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第5話「思春期な娘の家出と初恋」が2月11日に放送された。同作は、“ある事件”で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が、地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていく完全オリジナルのヒューマンドラマ。第5話では、俊平の“鈍感さ”で家族がバラバラに。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】響(芦田愛菜)の憧れの人、落語家・柳亭小痴楽が本人役で登場

■愛と魂の物語を彩る個性豊かなキャスト陣

西島、芦田の他、響の同僚のポジティブ思考で明るいトランペッター・森大輝役に宮沢氷魚、魔性のフルート奏者・倉科瑠李役に新木優子クラシックに恋する高校生・谷崎天音役に當真あみ、クラシックを諦めたチェリスト・羽野蓮役に佐藤緋美、プレッシャーに弱いティンパニー奏者・内村菜々役に久間田琳加を配役。

また、俊平の息子・海を大西利空、響と海の母親・志帆を石田ゆり子、晴見市の市長・白石一生を淵上泰史、コンサートマスター・近藤益夫を津田寛治、うたカフェの店主・小村二朗を西田敏行、俊平の元マネジャーで物語の鍵を握る男・鏑木晃一を満島真之介、市民オーケストラの団長・古谷悟史を玉山鉄二が演じている。

脚本は、「凪のお暇」(2019年)、「妻、小学生になる。」(2022年)などを手掛けた大島里美氏。劇伴は「テセウスの船」(2020年)、「日本沈没―希望のひと―」(2021年)をはじめ、多くの作品を手掛けている菅野祐悟氏が担当。

さらに、東京音楽大学教授であり、日本クラシック界をけん引している世界的指揮者の広上淳一氏が同作のオーケストラを全面監修。また、オーケストラの演奏部分は東京音楽大学が全面バックアップしている。

■俊平の変わり身の早さに呆れて響が家出

ファミレスで妻・志帆から晴見フィルの任期明けに“離婚”すると告げられ、他の誰かからプロポーズをされたことも明かされた俊平。

演奏会で、志帆に好意を抱いている人物がファゴット奏者の古谷だということを確信するが、俊平は“離婚”には応じたくなく、その事態を避けられるように考える。そんな中、フルート奏者の瑠季“恋の悩み”を相談される。

鈍感な俊平はその“恋の相手”が自分だと気づかないが、狙った獲物は逃さない“カルメン”と呼ばれる瑠季はグイグイと迫り、物理的にも俊平と距離を詰めていく。2人の顔が近づいた時、タイミング悪く響、古谷、大輝に見られ、キスをしていたと誤解されてしまう。

両親の離婚を心配していた響だったが、「何やってんの?早速第二の人生?変わり身早いんですね。どうぞ末長くお幸せに!」と怒りを爆発させ、家出を決意。

■ 息子・海も俊平のせいで家を出ていってしまう

友達も恋人もいない響は、仕事場であるホールの楽譜が置いてある部屋で一晩過ごすが、大輝の家に泊めてもらえることになった。

家出した響を必死で探す俊平だったが、そこで新たなトラブルを起こしてしまった。帰宅して、息子・海を呼ぶも返事がなく、心配して部屋に入ってみるとパソコンの前で寝落ちしている海が見えた。良かれと思ってパソコンを消そうとしたが、間違えてパソコンのウェブカメラをオンにしてしまい、顔出しをせずに配信をしていた海は“顔バレ”をしてしまった。

8万人の登録者がいる海は、顔バレしたことで学校でイジられると落ち込み、家出をしてしまう。

ギクシャクしている響との間に入ってくれていた海にも「そうやって周りの気持ち分かんないから、姉ちゃんにも母ちゃんにもフラれるんだよ。勝手にすれば?いいじゃん、もうバラバラで」とさじを投げられてしまうことに。

■5年ぶりに家族4人が集結

響は大輝のおかげで大好きな落語家・柳亭小痴楽(柳亭小痴楽)に会うことが出来、握手もしてもらって「もう死んでもいい」と上機嫌。そして大輝の歌で、久しぶりに音楽を楽しめたようだ。

親子共演をお願いしたり、家庭の事情に踏み込みすぎたことを謝る大輝に、「あの人(俊平)と共演するには、私は足りなかった。それだけの話です。そんなつまらないことで私は家族を壊したんです」と、響は5年前のことを明かした。

そんな響に大輝は「これから楽しいこといっぱいあるよ」とたくさん話しかけ、響は思わず笑ってしまう。そのやり取りを見ていた俊平は、5年ぶりに見る響の笑顔にホッとした様子。響に「帰ろう」と声を掛けて、一緒に帰宅した。

海も、学校で天音と話をしたことで、気持ちを落ち着けることが出来たようで、俊平らが帰宅すると、玄関のところに座り込んで2人を待っていた。

そして家に入ると、そこには志帆の姿が。響と海の家出を知って「さすがに2人が家出したって聞いたら心配するでしょ」と、トマト鍋を作って待っていた。

俊平の“鈍感さ”で家族がバラバラになりかけたが、周りの人たちの厚意もあって、5年ぶりに4人で食卓を囲むという思いがけない展開となった。

ようやく4人で顔を合わせて話せる状況になったが、“離婚”問題を含めてまだまだ解決していないことが山積み。志帆の気持ちに変化があったのかどうかが気になるところ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

5年ぶりに夏目家の4人が集結。トマト鍋を囲む/(C)TBS