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2月14日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で、お笑い芸人・インタレスティングたけし(44)が約1年半ぶりに再登場を果たした。大きな反響を呼ぶなか、“ある大物芸人”の持論に注目が集まっている。

前回放送では先輩芸人・チャンス大城(49)に、説教をされて帰宅を促されるドッキリを仕掛けられたインたけ。しかし放送直後、日本吃音協会から《件の放送内容は、吃音者に対する差別と偏見を助長するものであり、再発防止と番組制作の基準・指針の見直しを要求しました》と抗議を受ける事態に。

番組サイドに「しゃべり方自体を揶揄する意図はなかった」ものの、議論が巻き起こるなど抗議騒動は拡大。以降、インたけがバラエティ番組に出演することはなかった。

今回はドッキリ企画を放送する前に、昨年11月に行ったインたけのインタビューVTRを紹介。インたけは騒動による反響の大きさに困惑したものの、「それでテレビ出れなくなっちゃうっていうのは、嫌なんで」とコメント。「逆にこのしゃべり方で名前も覚えられたりするんで、しゃべり方とネタで笑ってほしい」と望み、同じ吃音のある人たちに向けても「僕を見て勇気づけられることも絶対にあるんで。だからいっぱいテレビに出たい」と語っていた。

■「コンプレックスは全部武器になる」「世界一すばらしい職業」

インたけのお笑いに対する思いが紹介されると、ゲストの伊集院光(56)が「すごく難しいことに、ここの番組は突っ込んでいくから、ああいうことは起こるんですけど」と切り出した。

「例えば僕が、体が超デカいっていうことを中学生、高校生とイジられたりしてて。ある意味、笑われるっていうことをこっち側がもうわかってやってんなら、これは『オレが笑わせていることじゃん』っていう転換が起こる。そうすると、『これは武器じゃん』ってなって、お笑いになる時は『コンプレックスは全部武器になる』って、師匠にも言われて」と、自らの経験に重ねて持論を述べた。

続けて、「彼の吃音がみんなにイジられたりとか、時に笑われたりとかしているのを、『芸人になればいいじゃん』って(思う)」と述べ、こう力説した。

「俺は芸人の好きなところは、もしかしたら一般生活では、辛いこともある特徴がみんなに喜んでもらえる。こっちはそれをわかってやってるって関係ができる、『世界一すばらしい職業』だって思っているから。もちろんね、苦労している人がいっぱいいるから、そのご家族もいるから、色々言いたくなるのはわかるけど。そこはちょっと、わかってほしいんだよねって思っちゃう」

伊集院がここまで話すと、インたけが出演するドッキリ企画のVTRが流れた。今回はインたけが仕掛け人となり、芸人引退の意向を大城に打ち明けるという内容。とはいえ大城は引き止め、涙を流しながらインたけを励まし、互いに熱い思いを本音で語る展開となった。

■「吃音協会の人が良いとか悪いとかそうじゃない」「理想論だけど、なってほしい」

VTRが終わると、「吃音協会の人が守らなきゃならない人もいっぱいいるし、思いがあるから、吃音協会の人が良いとか悪いとかそうじゃない」と再び口を開いた伊集院

そして「俺、テレビでほとんど言ったことないけど。5歳上の兄、かなり強い吃音なんです。それによって、からかわれているのもずっと見てきたし」と打ち明け、こう語ったのだった。

「僕がなんで、お笑い始めようと思ったかというと、彼(兄)はネタのセンスがめちゃくちゃ良いんです。自分が言ったらウケないから、『お前が言ってくれ』っていうネタで。大好きなネタで、テレビで(言うのは)すごく躊躇するんだけど、俺が出前でタンメン頼むと、タンタンメンが来るっていうのがある。

でもこれも、普通にフランクにしゃべっていたら、笑えていいはずの話なんだけど、『ここで炎上しちゃったらどうしよう』って思うから、みんなもちょっとリアクションも考えちゃうじゃないですか。でもこれを超えるネタをインたけ君がやってくれて、細かいこと全部忘れて、もう腹抱えて笑っちゃったからさ、アイツの勝ちだよって……。理想論だけど、なってほしい」

自らの経験を交えた伊集院の熱弁に胸を打たれた人も多かったようで、SNSでは反響が広がっている。

ウィークポイントを武器に出来る素敵な職業、芸人。伊集院さんの意見はもっともだよな》
水ダウ見た~。伊集院さんの語彙力は本当に尊敬。言いたいけど言語化が難しいことをああも綺麗にまとめられてて感動》
伊集院さんの言ってることが全てやな 吃音協会を袋叩きにするのはマジで違う かといって自分のコンプレックスに向き合ってそれを武器にして生きようとする人の望みを失わせるのも違う》
伊集院さんが「吃音協会がいいとか悪いとかじゃない」ってちゃんと言ってくれたのもよかった。話すのに勇気がいる言葉も、いつも伊集院さんは覚悟決めてラジオやテレビで発言してくれる。受け手(リスナー)を信じてくれてる気がする。とても好き》