ヨーロッパリーグ(EL)のプレーオフ1stレグ、フェイエノールトvsローマが15日にデ・カイプで行われ、1-1のドローに終わった。なお、フェイエノールトのFW上田綺世は63分までプレーした。

アトレティコ・マドリーラツィオセルティックと同居したチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージを3位敗退となったフェイエノールト。これでELに戦いの場を移したスロット率いるチームは、ベスト16行きを懸けた初戦で昨季ELファイナリストと対戦した。現在、エールディビジで2位に位置するチームはヘールトライダ、トラウナー、ティンバーら一部主力を負傷で欠き主砲サンティアゴ・ヒメネスもコンディションに問題を抱えるなか、上田ら代役をスタメンで起用した。

一方、モウリーニョ前監督の下で戦ったELグループステージではスラビア・プラハの後塵を拝し2位通過となったローマ。この間にデ・ロッシ体制に移行したジャッロロッシは、そのレジェンド指揮官のヨーロッパ初陣で難敵と敵地で対峙した。新体制初黒星を喫した直近のインテル戦からは先発5人を変更。GKをスヴィラールに代えたほか、登録外のハイセンに代わってジョレンテ、クリスタンテ、エル・シャーラウィ、アンヘリーニョに代わってボーヴェ、ザレフスキ、スピナッツォーラが起用された。

3シーズン連続で実現した因縁深い両者の一戦は、飛車角抜きのホームチームに対してアウェイチーム優勢で進んでいく。

ボールを握って押し込むローマルカクの確度の高いポストワークを活かして、前向きのディバラや中盤の選手が仕掛けを見せる。8分にはボーヴェのミドルシュート、直後にはディバラのスルーパスでゴール前に抜け出したペッレグリーニに決定機も、GKヴェレンロイターの良い飛び出しに阻まれる。

一方、15分を過ぎた辺りから押し返したフェイエノールトは、20分過ぎにパイシャオン、ステングスと2列目の選手がボックス付近で仕掛けて続けて良い形のフィニッシュを見せる。また、上田もボールタッチこそ少ないものの、幾度かポストワークで味方を活かすシーンを作る。

前半半ばから終盤にかけてはイーブンな展開に。その流れでローマに決定機。40分、左サイドを起点に押し込んでザレフスキの横パスをペナルティアーク付近で受けたパレデスが強烈な右足のミドルシュートを枠に飛ばす。だが、ここはGKヴェレンロイターが見事な反応で触った結果、クロスバーを叩いた。

代役守護神の活躍で流れを引き寄せたホームチームは前半終了間際に先制点を奪い切る。前半アディショナルタイム1分、左サイドの深い位置でハルトマンが正確なクロスを上げると、ゴール前で完全に浮いたパイシャオンがピッチへ叩きつけるヘディングで合わせた。

フェイエノールトの1点リードで折り返した後半は上田に見せ場。開始直後にボックス手前で相手DFのファウルを誘ってFKを獲得。このFKで味方がズラしたボールを上田が狙うが、これは惜しくも壁に阻まれた。

立ち上がり以降はローマも押し返して一進一退の攻防が続くと、63分に両ベンチが動く。ゴールがほしいローマはザレフスキを下げてエル・シャーラウィを、フェイエノールトは上田、ミンテを下げてヒメネス、リングルをピッチに送り出した。

すると、結果的にこの交代直後に試合が動く。67分、左サイド深くでスピナッツォーラが上げたクロスをゴール前にタイミング良く飛び込んできたルカクが肩付近に当ててゴール右隅に流し込んだ。

“EL男”として知られるルカクの一撃で1-1の振り出しに戻った試合はローマの時間帯がしばらく続いたが、フェイエノールトも後半終盤にかけて押し返していく。

そして、より勝利がほしいホームチームは89分にボックス右に抜け出したヒメネスが決定的なシュートを放つが、これはGKスヴィラールの好守に。直後の91分にはイバンシッツが直接FKでゴールを狙ったが、これは惜しくも右ポストを叩いた。

結局、試合はこのままタイムアップを迎え、3季連続の因縁対決は1-1のドローで初戦を終え、来週にローマホームで行われる2ndレグで決着を目指すことになった。

CL・ELは決勝Tに突入!
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