ヨーロッパリーグ(EL)・決勝トーナメントプレーオフのファーストレグが15日に行われ、フェイエノールトオランダ)とローマイタリア)が対戦した。

 今季の前半戦、フェイエノールトチャンピオンズリーグ(CL)の戦いに身を置いていたが、グループFをアトレティコ・マドリードスペイン)、ラツィオに次ぐ3位でフィニッシュ。セルティックスコットランド)よりは上の順位で終えたものの、ELに回ることが決まっていた。一方で、ローマは今季のELでグループEに入っていた。開幕3連勝と好スタートを切ったものの、最終的には4勝1分1敗の勝ち点「13」でフィニッシュ。5勝1敗と圧巻の成績を残したスラヴィア・プラハチェコ)を上回ることができず、2位でプレーオフに出場することが決まっていた。

 なお、両チームはこれで3シーズン連続しての公式戦での顔合わせとなる。2021-22シーズンは新設されたヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)の決勝で激突し、当時はローマが1-0で勝利。昨季はELの準々決勝で対戦し、2戦目で延長戦にもつれ込む激闘となりながら、最終的には2戦合計4-2でローマが“連勝”を飾っていた。

 この試合、フェイエノールトは“エースストライカー”のサンティアゴ・ヒメネスがふくらはぎの負傷から戻ってきたばかりのためベンチスタートに。代わって上田綺世が、直近のエールディヴィジ第21節スパルタロッテルダム戦(○2-0)に続いて先発に名を連ねた。一方、ローマはジャンルカ・マンチーニ、パウロ・ディバラ、ロメル・ルカクといった面々がスターティングメンバーに並んでいる。

 試合の前半は両チーム悪くないシーンを作ったものの、より多くの決定機を作ったのはローマ。10分、敵陣中央で前を向いたディバラの放ったスルーパスにロレンツォ・ペッレグリーニが反応。飛び出してきたGKティモン・ヴェレンロイターに1度は処理されたものの、セカンドボールをディバラが回収すると、最後はボールを引き取ったペッレグリーニが左足を振るが、シュートはダヴィド・ハンツコにヘディングでクリアされる。

 17分には右サイドに流れたディバラが右足でクロスボールを送ると、中央で待っていたルカクが頭で合わせるも、シュートはGKの正面へ。前半終了間際に差し掛かった40分には敵陣中央で前を向いたレアンドロ・パレデスが思い切り良く右足を振り抜くと、強烈なミドルシュートはGKヴェレンロイターにわずかに触られ、クロスバーに直撃した。

 このまま前半終了かと思われたが、前半アディショナルタイムにはホームチームが均衡を破る。左サイドバックのクァイリンドスキ・ハルトマンが高い位置をとってクロスボールを送ると、これがボックス内でフリーになっていたイゴール・パイシャオンの頭にピタリ。狙い澄ましたヘディングシュートを沈め、フェイエノールトが先手を取って前半を終えた。

 後半に入るとローマが試合を振り出しに戻す。67分、敵陣へ押し込んだ状況の中、パレデスがボールを運んで左サイドヘ散らすと、大外で高い位置を取っていたレオナルド・スピナッツォーラが左足でクロスボールを供給。ボックス内で待っていたルカクがハンツコを振り切って先に触ると、ボールを肩に当ててゴールにねじ込み、ローマが同点に追い付いた。

 追い付かれたフェイエノールトは終盤にかけてゴール前へ進入する回数を増やしていく。89分にはルカ・イヴァヌシェツとのワンツーでマッツ・ウイーファーがペナルティエリア右の深い位置へ侵入し、マイナスへ落とすと、途中出場のヒメネスが右足を振ったが、強烈な一撃はGKミレ・スヴィラルに弾き出された。

 試合はこのままタイムアップ。フェイエノールトはホームでアドバンテージを得たかったが、イーブンのままセカンドレグへ向かうこととなった。上田は63分にヒメネスと交代。前線での体を張ったボールキープなど持ち味を発揮したシーンもあったが、決定的なフィニッシュに絡むシーンは少なかった。

 セカンドレグは22日に行われ、今度はローマがホームでフェイエノールトを迎え撃つ。

【スコア】
フェイエノールト 1-1 ローマ

【得点者】
1-0 45+1分 イゴール・パイシャオン(フェイエノールト
1-1 67分 ロメル・ルカクローマ

先発出場した上田綺世は61分までプレー [写真]=Getty Images