2月16日に35歳の誕生日を迎えるエリザベス・オルセン。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)で“アベンジャーズ”のワンダマキシモフ/スカーレットウィッチ役を演じ世界で人気の彼女は、子役スターだった“オルセン姉妹”の妹としても知られている存在。今回はエリザベス・オルセンのブレイクまでの道のりやキャリアをプレイバック!

【写真】どこか妖しい美しさ…!エリザベス・オルセンの“スカーレット・ウィッチ”姿

■“オルセン姉妹”の妹として4歳から演技の道へ

1989年2月16日カリフォルニア州に生まれたエリザベス。ご存じの通り「フルハウス」のミシェル役で知られる“オルセン姉妹”こと双子のメアリーケイトアシュリーを姉にもっている彼女は、姉たちに続き4歳で演技の道を歩み始める。その後、ニューヨーク大学ティッシュ芸術学校に進学し、在学中にはとあるプログラムでロシアモスクワに行くなど、基礎から本格的に演技を学ぶ。

そんな彼女がブレイクするきっかけとなったのは2011年公開の映画「マーサ、あるいはマーシー・メイ」。本作の演技で批評家から高い評価を獲得した彼女は「サイレント・ハウス」に出演する。その後も「レッド・ライト」「恋するふたりの文学講座」「テレーズ 情欲に溺れて」「少女が大人に変わる夏」で存在感を発揮し、2013年には英国アカデミー賞でライジングスター賞候補に。

同年、韓国映画のリメイク「オールド・ボーイ」やダニエル・ラドクリフデイン・デハーン共演の「キル・ユア・ダーリン」で印象的な役どころを演じ注目を集め、翌年公開の映画「GODZILLA ゴジラ」で、ハリウッドでの地位を確固たるものにした彼女は、MCUへ仲間入りを果たし、自身最大の代表作を掴むことになる。

■当たり役“ワンダ”を演じ約10年

2014年公開の映画「キャプテン・アメリカウィンターソルジャー」で初登場したワンダマキシモフというキャラクターを演じたエリザベス人体実験によって特殊能力を得ることになった彼女はテレキネシス能力をもち、心理操作もできる超人。感情が強くなればなるほど強さを増し、後にスカーレットウィッチとして目覚めることになるワンダを約10年に渡って演じている。

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズインフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」といった一連のマーベル映画で活躍。そして2021年にはワンダが主人公となるMCUドラマ「ワンダヴィジョン」(ディズニープラスで配信中)も公開。

ワンダとヴィジョン(ポール・ベタニー)が結婚し、とある郊外の街で生活することに。幸せな生活を送る2人だったが、その生活は次第に崩れ始め、裏に隠された“謎”がむき出しになっていく…。というストーリー。

マーベル・スタジオ初の公開収録型シットコムとして話題を呼んだ本作。「マーベルにとって、これは初めての類いのドラマ。アメリカのシットコムへのラブソングという形のね」と話すエリザベス。「舞台の経験はあるの。でも生の観客の前で番組を撮影するのは変な感じ。“フルハウス”のセットで育った私にとってはね」とシットコムならではの難しさに直面したそう。

しかし「演劇学校でスクリューボール・コメディやフィルム・ノワールの演技の勉強をしたの。“時代遅れよ”って学生時代はバカにしてた。その時習ったものが役に立ったわ」とも話しており、学生時代に培った知識を最大限に活かして臨んだことを明かしている。

なお、2022年に公開された「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は「ワンダヴィジョン」後の世界となっており、ワンダは物語の鍵を握る人物として登場する。

■プロデューサーデビューを果たし、さらなる挑戦へ

ワンダヴィジョン」は自身がプロデューサーとして参加した「Sorry for Your Loss(原題)」に続く、ドラマシリーズ作品。最近では実話を基にした「ラブ&デス」にも出演し、ドラマシリーズでの活躍を増やしている。

映画に比べて「テレビをやる時の方がもっと頭を使う必要がある」と話す彼女は、新たな挑戦を続けていることで成長を感じているそう。特にプロデューサーとしての作品作りを始めたことで、新たな視点をもてるようになったとか。

「意識しているのは、すべての俳優が確実に必要なものを得られるようにするということ。大抵はそれができるリーダーがいるけれど、時に漏れてしまう。だからみんなのためにいられることが嬉しいの」と話しており、新たなやりがいを感じているようだ。

「ひとつのキャラクターに留まりたくない」と話すエリザベス。“脱ワンダ”を意識して臨んだ犯罪ドラマ「ラブ&デス」では、斧で隣人を殺した主婦キャンディ・モンゴメリーという役を熱演。

「新たな仕事を始めるのはいつだって不安になる。まるで初めて学校に行く日みたいに、毎回こわくなるの。でもそれが続けばいいなと思ってる。私は新しい経験が好きだから。それにこの仕事のおかげでたくさんの面白い人や新しい経験に出会うことができる。本当にそれを楽しんでいるの」と話す姿に、彼女が愛される等身大の魅力が垣間見える。

「8年前よりも今の方が仕事に対してより心地よく感じてる。よりできることが増えたように感じているわ」というエリザベスは最新作「His Three Daughters(原題)」でも主演と製作総指揮を兼任。幼い頃からハリウッドを知る彼女がどのようなキャリアを歩むのか、今後も目が離せない。

◆文=KanaKo

エリザベス・オルセン/写真:AP/アフロ