アジアカップではチーム内でのいざこざもあったようだ(C)Getty Images

 サッカー韓国代表のユルゲン・クリンスマン監督の解任が決定的となった。

 同国サッカー協会技術委員会が2月15日カタールアジアカップの結果などを踏まえ、判断したという。今後、協会の理事会により最終決定となる。

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 現役時は元ドイツ代表FWとして実績を残し、母国代表チームの指揮官も務めるなど、輝かしい功績を積み上げてきたクリンスマン氏。昨年2月の韓国代表監督就任からわずか1年で、その座を離れることになるようだ。

 アジアカップで優勝を逃し、さらに大会後には、カタールで主力選手同士の内紛が発覚し、チームを統率するための能力に疑問の声が韓国国内で沸き上がっていた。現地メディアも監督更迭の見通しであることとともに、辛辣な言葉を連ねている。

 『聯合ニュース』でも、クリンスマン氏のニュースを扱っており、「ただ笑顔だけを残して去る」と報じた。

 同メディアは「64年ぶりのアジアカップ首位奪還目標達成に失敗したクリンスマン号が出航1年後に座礁し、韓国サッカーの歴史の裏側に消えることになった」などと表現。

 さらに、「クリンスマン号はアジアカップを戦う間中、守備組織力はもちろん、攻撃陣同士の呼吸も合わず、ファンを失望させ、アジアカップ準々決勝を1日前にソン・フンミン(トッテナム)とイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)が取っ組み合いをしたという事実まで知られ、ファンに大きな失望感を与えた」として、アジアカップでの出来事を振り返っている。

 他にも、「代表チームは今回のアジアカップ6試合で10失点を記録した。これは2011年大会の7失点、2015-2019年大会の2失点と比較すると、大きな“守備の穴”を露呈したことになる」と指摘し、加えてピッチ外の振る舞いにも言及。「クリンスマン監督は韓国居住の約束も破ったまま、米国と海外で過ごす時間が多く、ファンの嫌悪感を招いた」と綴っている。

 また同メディアは、「いつも明るい姿でメディアと会っていたクリンスマン監督は、アジアカップ準決勝でヨルダンに完敗した後にも、選手たちの悔しそうな表情とは違って“笑顔”を崩さず、国内情緒に合わない行動を見せた」などと、非難の言葉を並べた。

 アジア屈指のタレントを揃えながらも不振に終わったカタールでの結果以外でも、メディアからの批判が止むことはなかったクリンスマン氏。韓国代表指揮官として期待に応えられないまま、その座を降りる瞬間が近づいている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「ただ”笑顔”を残して去る」クリンスマン監督、韓国代表解任へ 国内メディアは手腕に批判も「ファンに失望感を与えた」