新人俳優の三宅朱莉が主演を務め、水川あさみが共演する映画『霧の淵』が、4月6日よりユーロスペースにて先行上映、4月19日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて順次公開されることが決定。併せて、ポスタービジュアルと予告編が解禁となった。

【動画】故郷への郷愁を感じる――映画『霧の淵』予告

 メガホンをとったのは、本作が長編商業映画デビュー作となる村瀬大智監督。舞台である奈良県川上村に監督自ら単独で川上村に長期滞在し、現地の人々と交流することから作品が生まれた。奈良県川上村に実際にある老舗旅館を舞台に、今、この時代だからこそ残したい“時間”が静かに美しく映し出されている。

 第72回サン・セバスチャン国際映画祭で「奥深い日本の暮らしを描いている」として新人監督部門に最年少で選出され、第28回釜山国際映画祭のA Window on Asian Cinema部門招待作品としてアジアプレミアを遂げた。

 主演を務めるのは、オーディションで抜てきされた奈良県出身の新人俳優・三宅朱莉。老舗旅館を営む家に生まれた主人公・イヒカ役を演じ、子供から大人への揺れ動くたたずまいをみずみずしく表現している。イヒカの母・咲を演じるのは水川あさみ。別居中の旦那の実家の旅館を切り盛りするという複雑な状況の中、娘の成長を見守る母親を真っすぐに演じている。

 そして、イヒカの父・良治役を演じるのは三浦誠己。さらに、イヒカの祖父・シゲ役を堀田眞三が演じる。

 ポスタービジュアルは、三宅演じる主人公・イヒカの視線がとても印象的なビジュアルに仕上がっており、変わっていく家族、そしていつか無くなってしまう故郷を見つめ、少しずつ大人への階段を上っていくはかなさが感じられる。

 ポスタービジュアルの写真は、本作の撮影監督を担当した写真家・百々武のシーンを切りとった写真。百々は、これまで河瀬直美監督『殯の森』(2006)や東京2020オリンピック映画のスチール担当を務めるなどスチールカメラマンとして活躍。今作では初めて撮影として制作に携わり、スチールカメラマンならではの、一瞬一瞬を切り取った美しいシーンが本編にもちりばめられている。

 予告編には、秒針の音が響く中、家族の生活の営み、そして彼女たちに訪れる変化の瞬間が映し出され、誰しもが持つ故郷への郷愁が感じられる仕上がりになっている。最後には、本作を一足先に鑑賞した俳優・永瀬正敏が「1000の言葉より100の表情より ただの背中が もっとも雄弁に 心模様を語るのだと 改めて確信させてもらった作品 素晴らしかった 」と絶賛するコメントも添えられている。

 映画『霧の淵』は、4月6日よりユーロスペースにて先行上映、4月19日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて順次公開。

映画『霧の淵』ポスタービジュアル (C)2023“霧の淵”Nara International Film Festiva