●中東の炊き込みご飯「マクルーバ」って何? 最近、東京でも食べられる店が増えてきた謎の料理の正解を確かめてきた!
アラブのおいしい炊き込みご飯「マクルーバ」。名前を聞いたことがあっても、ちゃんとした本格的なものを食べたことがある人は(一部のマニアを除いて)、まだあまりいないのでは?
筆者は数年前にカルディで売っていた「マクルーベの素」を使って作ったことはあったのですが、お店で食べたことはありませんでした。なぜなら食べられる店が日本ではとても少なかったからです。それがここ数年、中東料理店が増え、マクルーバが食べられる店も徐々に増えてきています。
当時、マクルーバをレストランのメニューで見たことも食べたこともなく、正解がわからないまま、とにかく作って食べてみたわけですが……。初めて食べたマクルーバは、ビリヤニっぽいのかな? という事前の予想を裏切り、スパイスが優しく香る、まったく辛くない滋味深いおいしい炊き込みご飯でした。
そんなある日、筆者がよくランチに行く神楽坂の激旨エジプト料理店『アブ・イサーム』で、ディナーコースを予約をするとマクルーバが食べられるという情報をゲット。エジプト料理はまだ日本ではあまり馴染みがないですが、『アブ・イサーム』で初めてエジプト料理を食べてファンになる人も多い人気店です。
ランチではいつも「チキンごはん(ケバブライス)」を注文するのですが、これが最高に旨いので、『アブ・イサーム』のマクルーバなら絶対においしいはず! というわけでマクルーバの秘密を探りに、ディナーに行ってきました。
マクルーバの正解が知りたい
今回オーダーしたのは、マクルーバがメインのコース(3850円)。ソフトドリンクもついています。なお、アルコール飲料は扱っていません。
中東料理はコースで5000円以上の店が多いのでこれはかなりリーズナブルと言えるでしょう。オーナーのイブラヒムさんの「エジプトの家庭料理を気軽に食べて欲しい」という思いから、できるだけ安い価格設定にしているそうです。
「マクルーバ」の意味はアラビア語で「ひっくり返す」
さて、いよいよ主役のマクルーバがやってきました! イブラヒムさんがボウルに入れたマクルーバを持ってきて、お皿を被せて勢いよくひっくり返してドーム型に盛り付けてくれます。
アラビア語で「マクルーバ」の意味は「ひっくり返す」。マクルーバは店によって味付けも具材も違いますが、この「鍋底に茄子を敷いてご飯を炊いてひっくり返す」というところは共通しています。ひっくり返した後に、野菜をトッピングして華やかに飾りつけ。
マクルーバに入れる肉は、ラム肉かチキンで選べますが、今回は両方入れたミックスにしてもらいました。ラム肉も柔らかくておいしい!
米は長粒種のバスマティライスを使うビリヤニと違い、粒の小さい日本米です。これも店によって違うのですが、マクルーバの場合は日本米を使う店が多いようです。
味付けは、やさしくスパイスが香る程度で、全然辛くありません。シナモンの香りが強いのが特徴です。たっぷり入ったにんじん、玉ねぎなどの野菜の甘さが効いていて、優しいおいしさ。
日本の炊き込みご飯とも似ていて、親しみやすいので、刺激の強いエスニック料理が苦手な人でもきっと好きになるはず。たっぷりあったのにあっという間に完食しました!
食後のアラビックコーヒーは専用のポットで一人分ずつ淹れてくれます。カルダモンなどのスパイスが効いたヨルダン産のコーヒーです。約2杯分入ったポットでサービスされるのでお代わりできるのも嬉しい。
デザートはムハラビーヤ。通常は冷やして提供するのですが、ちょうど新しいものができたタイミングで「出来立ての温かいのもあるよ! おいしいよ」とのことだったので温かいほうをいただきました。ほんのり甘くスパイスが香る牛乳のプリンのようなスイーツでした。
一度マクルーバを食べてみたい! と思った人は、ぜひディナーコースを予約して行ってみてください。おいしいですよ!
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