2024年2月15日(木) に東京・シアター1010で初日を迎えた舞台『地獄楽-終の章-』の公開ゲネプロと囲み取材が行われた。

本作は、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で掲載され、単行本を含むシリーズ累計発行部数が650万部を突破、2023年4月にはアニメ化も果たした賀来ゆうじによる『地獄楽』を原作とした舞台化の第2弾にして最終章。アニメ版に先駆けて、物語の結末までが描かれる。

かつて石隠れ最強の忍として恐れられた死罪人・画眉丸(木津つばさ)は、“不老不死の仙薬”を持ち帰り、最愛の妻と再会するために、打ち首執行人の山田浅ェ門 佐切(白本彩奈)とともに、“神仙郷”へと向かう。舞台第1弾では、無罪放免をかけ仙薬を求める死罪人たちとぶつかりあい、時には共闘しながら、神仙郷を統べる"天仙"に立ち向かう姿が描かれた。最終章では、命を落とした仲間たちの想いを胸に、「生きて帰る」その目的のために、最終決戦へと挑んでいく。

第1弾のラストで離ればなれになった亜左 弔兵衛(佐奈宏紀)&山田浅ェ門 桐馬(田淵累生)ら亜左兄弟。画眉丸&佐切と共闘関係を結んだ杠(太田夢莉)・民谷 巌鉄斎(郷本直也)・山田浅ェ門 付知(宮崎湧)。山田浅ェ門 典坐(飯山裕太)の仇討ちを誓う山田浅ェ門 士遠(中村太郎)&ヌルガイ(吉浜あずさ)。そして、実はかつては天仙の仲間だったメイ(高乘蒼葉※)。それぞれが氣(タオ)の修行をつみ、共闘を重ねる中で、死罪人と打ち首執行人が立場を超えた絆で繋がれていく。

そんな中、新たな刺客が島に上陸する。「島にいる罪人は全て皆殺し」と山田浅ェ門家の使命を貫く、山田浅ェ門 殊現(小南光司)。試一刀流三位の実力者ながらも謎が多い山田浅ェ門 十禾(松田岳)。石隠れ衆として、かつての同胞・画眉丸に異常な執着をみせるシジャ(櫻井圭登)。曲者ぞろいの新勢力が闘いに参戦した。そして、神仙郷を統べる“天仙”(佐々木喜英・立道梨緒奈)が1,000年もの歳月を注いだ悲願を達成すべく、ついに動き出す――。

本作では、前作よりもさらに『地獄楽』の世界観を追求した演出が駆使された。なんと客席には開演前から竈神(そうしん)が闊歩し、不思議な香りが場内を包み込む。会場全体を「神仙郷」の世界へと誘う空間演出、華麗な映像を駆使して「神仙郷」の極彩色を表現する映像演出、美しいコンテンポラリーダンス、ふたりで同じ役を見事に演じ、妖艶な所作・振付でシンメトリーを見事に表現した天仙(佐々木喜英・立道梨緒奈)、ステージと客席を縦横無尽に掛けながら、大幅に拡大された殺陣・アクションシーンなどが見どころとなっている。

(※メイは澤田理央とのWキャスト。16日公演では高乘が出演)

その後行われた囲み取材には、木津、白本、佐奈、田淵、小南、佐々木、立道が登壇。冒頭の挨拶で木津は「作り上げてきた舞台『地獄楽』の有終の美を飾れるように精一杯努めます」と語り、白本は「今日まで大切に色づけしてきたものをみんなで精いっぱいお見せしたいです」と、ついに最終章を迎える本公演への意気込みを語った。

続いて、キャストがそれぞれの質問に回答。本作の見どころを聞かれると、木津は「思い描いている理想や夢、目的を沢山感じられる、人間味のある作品」と作品の魅力に加え、激しいアクションシーンが見どころのひとつとなる本作について、「熱量が高い中で、お客さんに何を感じてもらうか。僕たちは何を届けられるのかを模索していきたいです」と答えた。

そして、「第1弾の公演から1年が経過した今、成長したこと」を聞かれた白本は「前作の佐切やキャラクターのセリフを振り返っていく中で、自分の毎日と照らし合わせて痛感することが多かった。前作を経て、自分の感受性が豊かになった」と振り返った。

続いて、今回からの新キャストとなる佐奈は、「役作りや稽古で難しかったこと」を尋ねられると、「新キャストなので、稽古前から田淵さんとの関係性を深められるかなと心配していましたが、優しく、受け入れ態勢をつくってくださったので、すぐ馴染むことができました」と笑顔で語り、「桐馬との関係性を重視しすぎて、他のキャストさんとの仲を深めるのが難しかったです(笑)」と周囲の笑いを誘った。

田淵が演じる亜左弔兵衛の弟、山田浅ェ門 桐馬は、弔兵衛と桐馬は死罪人と執行人というだけでなく、兄弟という間柄。演じてみて絆を感じたエピソードを聞かれると、「稽古中、とあるシーンで手を差し出したところ、(本来ならそろわないタイミングで)同時に佐奈さんも同じポーズで手を差し出していたことがあり、その時は兄弟を超えて双子みたいだなぁと思いました」と稽古中のほほえましいエピソードを語った。

そして、今回から“神仙郷”への上陸者として新たに登場した山田浅ェ門 殊現を演じる小南は、カンパニーの雰囲気や稽古での印象的なエピソードを聞かれると、「人見知りの自分を巻き込んで皆さんが仲良くしてくださり、だからこそ前作から熱く紡いでいける作品なんだ」と、カンパニーの仲の良さに驚いたとのこと。また、「山田浅ェ門 十禾役の松田岳さんのアドリブシーンも見どころ」と同じく新登場となる松田への注目ポイントも明かした。

今回は、天仙を佐々木・立道のふたりで演じ、天仙の“陰と陽”の側面をふたりで表現していることが、本公演の大きな魅力のひとつ。「天仙をふたりで演じる上で苦労した点」を尋ねられると、立道は「パフォーマンスをシンメトリーになるように揃えたり、セリフを揃えたりするのは初めての経験だったのですが、それが楽しくもあり、本番をお客様に見ていただくのが楽しみです」と同じ役を演じるからこその難しさを語った。

そして、同じく天仙役の佐々木は「天仙の注目ポイント」を聞かれると、「天仙のセリフの割り振りを自分たちで考えたりするのですが、立道さんから言い回しの大変な方を“ひでさん(佐々木)お願いします”と頼まれました(笑)」と裏話を暴露。他にも「衣装もかなり変わるのでそこにも是非注目してください」と天仙の見どころを明かした。

最後に木津は、「前作からご覧いただいたお客様も、今回初めていらっしゃる方も皆様同じように楽しめる作品になったと思います。板の上を全力で駆け回っているので、前のめりになって見ていただけると嬉しいです。是非ご期待ください!」と前作より大幅に増えた殺陣やアクションシーンを含め、これから来場する観客に向けてメッセージを送った。

<公演情報>
舞台地獄楽 -終の章-』

原作:『地獄楽』賀来ゆうじ(集英社 ジャンプ コミックス刊)
演出:加古臨王
脚本:Spacenoid Writers’ Room(月森葵、野ノ栖千晶、会沢青)

【出演】
画眉丸:木津つばさ
山田浅ェ門 佐切:白本彩奈
亜左 弔兵衛:佐奈宏紀
山田浅ェ門 桐馬:田淵累生
杠:太田夢莉
山田浅ェ門 士遠:中村太郎
ヌルガイ:吉浜あずさ
民谷 巌鉄斎:郷本直也
山田浅ェ門 付知:宮崎湧
山田浅ェ門 殊現:小南光司
山田浅ェ門 十禾:松田岳
シジャ:櫻井圭登
メイ:澤田理央・高乘蒼葉(Wキャスト)
天仙:佐々木喜英・立道梨緒奈

アンサンブル】
藤原儀輝 / 小林聖尚 / 福島悠介 / 小川丈瑠
桝原華奈 / 市川絵美 / 岡本真友 / 山田美貴 / 中込萌 / 中野紗耶可 / 岩見柾孝

※片伯部浩正さんは脚の怪我のため、岩見柾孝さんにキャスト変更となりました。
※出演者は変更になる可能性がございます。

2024年2月15日(木)~2月18日(日) 東京・シアター1010
2024年2月20日(火)~2月25日(日) 大阪・クールジャパンパークTTホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/jigokuraku-stage/

公式サイト:
https://jigokuraku-stage.jp/

(C)賀来ゆうじ/集英社エイベックスピクチャーズ

舞台『地獄楽-終の章-』公開ゲネプロ