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 未来を的確に予測するのは難しい。明日どうなるかもわからないのに、100年後、ましてや1万年後にどうなっているのかなど想像もつかないだろう。

 だが現在地球上にいる生物は、環境に適応することで存続してきた。1万年後、地球環境が大きく変化しても、一部の種は進化しながら生き延びていることだろう。

 カリフォルニアにあるペットの遺伝子検査会社「Basepaws」の遺伝学者と獣医師が、1万年後に現在の犬種がどのような姿になっているのか、その可能性を推測した。

 ニューラルネットワークにデータを入力して、視覚的に興味深い想像図を作り出したのだ。本当にこのような姿になっているかどうかは、1万年生きてみないことにはわからないけれども、興味深いテーマなので見ておこう。

【画像】 犬の1万年後の姿は2つのシナリオがある

 現代の犬は、人間と仲良しになったオオカミの先祖から進化したことはよく知られている。こうした友情がいつ始まったのかは、まだまだ議論が続いている。

 とはいえ、人間と犬の絆はしっかり確立されていて、将来も揺るがされることはないと思われる。

 昨今のAIの進歩によって、生き生きとした未来予想図を即座に描くことができるようになった。

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 遺伝学者たちは獣医師のアーニー・ウォード氏と協力して、未来の犬の姿を描いてみせたのだ。

 ウォード氏によると、未来のシナリオにはふたつあるという。ひとつは気候変動の影響で、温暖化によって暑くなる未来と、氷河期のように寒くなる未来だ。

地球温暖化のシナリオ

 地球が暑くなると、人間による犬へのエサの与え方や世話の仕方が変わる。エサの資源が少なくなり、犬の体重が減少、つまりは小型化につながるとウォード氏は考える。

 体が小さくなれば、必要なエサやエネルギー量が少なくなり、また体を冷やすのも簡単になる。

 皮膚の表面積も少なくなり、有害な紫外線の影響から身を守ることができるという利点もある。場合によっては、犬の皮膚の色が濃くなることもあるかもしれない。

地球温暖化が進んだ場合のプードルゴールデンレトリバーの変化

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 気温が高くなるにつれ、毛も必要なくなる。極端に暑くなった場合、犬は気温が比較的低い夜間に活動するようになり、体温を下げるために頭と耳が大きくなる可能性がある。

 暑さによって水分が欠乏すると、長い間水分を摂らなくても済むように、代謝自体に変化が見られるようになるかもしれない。

地球温暖化が進んだ場合のグレイハウンド、ポメラニアンの変化

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氷河期シナリオ

 反対に、地球の気温が下がり新たな氷河期に突入した場合、体温を保つために犬の毛はどんどん厚くなることは容易に予想される。

 寒くなることで、犬の体が大きくなるのか、小さくなるのかはわからないが、いずれにしても、エネルギー貯蔵庫としての体脂肪を発達させるようになると思われる。

 さらに、狩りや走るのに必要なより強い筋肉をもつオオカミのような体質に戻る可能性もある。

地球の気温が下がった場合のダルメシアンダックスフントの変化

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 より極端なシナリオとしては、犬がオオカミのようになったら、人間と食料やねぐらを争うことになり、互いの友情が試される試練となるかもしれない。

 人間がその競争に勝って居住可能ゾーンを確保した場合、犬が別の惑星で生きていく究極のシナリオもある。

地球の気温が下がった場合のブルドック、イングリッシュマスチフの変化

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宇宙で暮らすシナリオも?

 もし1万年後、我々が宇宙に移住している未来があるとすれば、真っ先に連れて行きたい動物は何か?もちろん犬だろう。

 犬は長きにわたって人間の親友で、苦楽を共にしてきた。犬が宇宙で暮らすとしたらこんな姿になっているかもしれない。

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References:PHOTOS: How dogs will look 10,000 years from now / written by konohazuku / edited by / parumo

追記(2023/02/16)犬種を変更して再送します。

 
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1万年後の犬の姿はどうなっているのか?遺伝学者と獣医師がAIで予測