日本列島のほぼ中央というのが理由か?

スタンド・オフ電子戦機は4機調達予定

防衛省は、このたび沖縄県うるま市における訓練場整備に関する説明会で用いた資料において、航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)にスタンド・オフ電子戦機を配備する予定であることを明らかにしました。

スタンド・オフ電子戦機は、強力な電波妨害によって敵のレーダー施設などを無力化し、自衛隊の航空作戦の遂行を支援する機体です。航空自衛隊は現在、EC-1YS-11EAといった輸送機をベースにした電子戦機を訓練用として保有しています。

これらの機体にはコブのようなアンテナフェアリング(覆い)が複数あり、EC-1は機首にも装着されているため、カモノハシのような異様な見た目が特徴となっています。電子戦機は埼玉県の入間基地を拠点に活動していますが、秘匿性が高く、機体や任務については一切公表されていません。

防衛省は、2023年度予算にC-2輸送機をベースとした「スタンド・オフ電子戦機」の開発費として83億円を計上。公表されているイメージ図を見ると、機首にもアンテナフェアリングが取り付けられ、EC-1と同様の外観になるようです。既に各種装置の試作は2020年度から開始されており、今後導入に向けた準備が本格化していくとみられます。

すでに航空自衛隊には、電波情報の収集を目的としたRC-2が配備されています。同機もC-2輸送機をベースにした派生型ですが、スタンド・オフ電子戦機はそれとは似て非なる機体になります。

防衛省では、スタンド・オフ電子戦機を4機調達する計画で、岐阜基地にはそれらを一括運用する専門の飛行隊が新編されると考えられます。

航空自衛隊が運用する電波情報収集機RC-2(画像:防衛省)。