美容院でカラーリングをしてもらっているとき、美容師から「染みていないですか?」と尋ねられたことがある人はきっと多いと思いますが、「どうしてこの質問をするの?」と疑問に思ったことはありませんか。カラーリング中に「染みていないかどうか」を聞くのはなぜなのか、美容師の原木佳祐さんに、その理由を教えていただきました。

刺激を感じたら我慢せず伝えて

Q.美容院でカラーリングをしているとき、「染みていないですか」と聞くのはなぜですか。

原木さん「一般的に、美容院で使用しているカラーリング剤は、人体への安全性が担保されているものというのが前提ですが、『100%誰も刺激を感じることがない』とはいえません。そのため、一定の成分に敏感であったり、アレルギーがあったりすると、かゆみやかぶれが起こってしまうことがあります。また、体調によっても頭皮が敏感になり、いつもは問題がないのに、一時的に刺激を感じるケースもあります。

何か特別なカラー剤を使用しているというわけではなく、心配りという面からお声がけさせていただくことがほとんどだと思います」

Q.カラーリング中に染みたり、かゆみが出たりした場合はどうしたらいいですか。

原木さん「違和感があったり、刺激を感じたりしたときは我慢せず、すぐに伝えていただきたいですね。カラーリング剤を塗布し始めていたとしても、すぐに洗い流すことで皮膚トラブルや違和感を最小限に抑えることができます。

また、もともと頭皮が刺激を感じやすい場合、事前に申告していただけたら、なるべく頭皮にカラーリング剤を付着させない方法で施術を行うこともできますよ」

Q.自分自身でカラーリングをしたい場合、カラーリング剤の選び方などで注意点はありますか。

原木さん「まず、カラーリング剤は髪の長さによって塗布量が大きく異なるという点です。特に、ロングヘアの場合は『市販品1箱分だけでは全く足りなかった』というケースも少なくないようです。

また、商品に記載されている、洗い流すまでの時間はしっかりと守るようにしましょう。『時間をかければかけるほど色がよく入るのでは』と思う人もいるかもしれませんが、放置時間を長くするほどダメージを過度に与え過ぎてしまい、かえって色が入りにくくなってしまう可能性もあります。

ちなみに、色の明るさが今までと同じ程度であればそれほど難しくないのですが、明るさを変える施術はカラーリング技術としても高度であるため、市販品では理想通りに仕上げることが難しいかもしれません」

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 いつも美容院でカラーリングをしている人なら、「染みていないですか?」と毎回聞かれているのではないかと思います。毎回、同じ美容院で同じカラーリング剤を使っていたとしても、体調不良のときに刺激を感じてしまうこともあるそうなので、今までと違う違和感や痛みがある場合は、早めに担当の美容師さんに伝えるようにしましょう。

オトナンサー編集部

「染みていないですか」の理由って?