女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「義実家・家族」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2020年1月2日 記事は取材時の状況)


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 年末年始、義実家に帰省される既婚者の方は少なくないと思います。「義実家 帰省」で検索すると、「したくない」「憂鬱」「疲れた」など、ネガティブな関連ワードがわんさか……。



写真はイメージです(以下、同じ)



「私の場合、初めての義実家への帰省は、想像もしていなかった出来事ばかりでしたね」


◆離れていたことで知らなかった義母の素
 昨年結婚したという、東京都在住の会社員の香織さん(仮名・28歳)。お相手は、関西から上京した仕事関係者の男性です。


「夫の人柄に惹かれたことがきっかけで親しくなったんです。夫は早くに父親を亡くしているので、母親が地元で一人暮らししているとのことでした。お義母さんに何度か会った限りは、明るくて気さくな接しやすい人、という印象。住み慣れた関西を離れたくないということで、同居もひとまずはしないということに決まり、しばらくのあいだは嫁姑問題もないかな、と安心していたんです」


 ところが、お正月に初めて夫婦で夫の実家に帰省したところ、意外な義母の素が発覚します。


◆着いた早々、パチンコ屋さんへ
「お義母さんはとても歓迎してくれたのですが、着くなり、『今からいいところに行こう』と外出。なんと、向かった先はパチ屋(パチンコ・パチスロ店)だったんです。夫からお義母さんがギャンブル好きだとは聞いていましたが、まさか新年から行くほど好きだとは思っていませんでした。


 私も夫も、ギャンブルはまったくやりません。だから、パチ屋にいても退屈なだけで。義母はさっぱり儲からなかったようで、『台を変えた途端、次に座ったやつが大当たりしてて、腹立つわ~』などと、くだらない愚痴を言っていました」



 この時点で、「意地悪されるよりはマシだけど、なんだか思ってた帰省と違う……」と違和感を抱いたという香織さん。さらに驚きの出来事が続きます。


◆「うまいお店」と連れてかれたのはくら寿司
「『正月だし、お寿司でも食べに行かん? うまい店知っとるから』とお義母さんが言ったんです。それを聞いて、お寿司が好きな私は楽しみにしていたのですが、入ったお店は、くら寿司。嫌いではないですが、『いやいや、私だってこの店なら知ってるから!』と、内心ツッコミまくりでしたね(笑)。関西にはあまり行ったことがないので、せっかくならおいしい物を食べに行きたかったです」


 この帰省初日の流れにはさすがに、香織さんの夫も「俺たち、けえへん(来ない)ほうがよかった?」と自分の母親に言うほどだったとか。


◆もてなし方が分からなかっただけだった



「それでも、義母はポカーンとした表情でしたね。なんだかどっと疲れが出て、帰省2日目は早く起きる気にもなれなかったです。すると、『俺はまだしも、昨日の行動は香織にとってはしんどいだけだろ』と、夫が義母に怒っている声で目が覚めて。義母は落ち込んだ声で、『どうやってもてなせばええか、わからんくて……』と言っていました。それを聞いて、なんだか義母がかわいそうになってしまって。


 その日はそのままゆっくり過ごすことになり、お義母さん手料理を振る舞ってくれたんです。私の好きな料理を夫が事前に伝えていたらしく、それも出してくれて、素直にうれしかったですね」


 ようやくお正月の帰省らしくなった2日目。最終日の3日目は、一同で「せっかく帰省したんだから、思い出に残ることをしたい」という話になったのだとか。


◆最後はなんだかんだで楽しい帰省に
「3人が共通して好きな、カラオケに行くことになりました。たまたま義母と私の好きな歌手が同じで、大盛り上がり。なんだかんだで、楽しい帰省にすることができました。それに、別れ際に義母が、『次はあんたたちにたこ焼き作ってあげたい』と笑いながら言ってくれたんです。『やっぱり1人暮らしだと、たまに寂しくなる』と、寂しそうにもしていました。これからも機会があれば帰省して、ぜひたこ焼きパーティをしたいなと思います」


 香織さんの場合は、夫が妻の味方でしたし、結果的に義母との関係もこじれずに済みました。年に何度もない帰省ですから、できるならば鬱々とした気分で向かいたくないものですね。


―シリーズ「帰省の悲喜こもごも」―


<文/女子SPA!編集部、イラスト/ただりえこ>


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