声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。2月11日(日・祝)の放送では、Webメディア「FUNRiDE」の山本健一さんをゲストに迎え、野島の目標である自転車ロードレース「Mt.富士ヒルクライム」での“90分切り”を達成するためのアドバイスをいただきました。


(左から)パーソナリティの野島裕史、山本健一さん



◆「富士ヒル」現在エントリー受付中!

野島:今年もやってまいりました! 富士スバルラインを駆け上る全長24kmのヒルクライムレース「FUNRiDE presents 富士の国やまなし 第20回Mt.富士ヒルクライム(富士ヒル)」の開催が6月2日(日)に決定し、現在エントリー受付中です!

もちろん私はエントリーしております。これは僕にとってホームレースで、一番気合が入るレースです。ということで、「富士ヒル」といえばこの方……本日は「富士ヒル」の企画・協力をおこなっているスポーツ自転車専門のWebメディア「FUNRiDE」のスタッフ兼サイクルジャーナリスト・山本健一さんをお迎えしました。よろしくお願いします!

山本:よろしくお願いします。

野島:毎年出演ありがとうございます。この時期になると山本さんにお越しいただいていますが、今日もたっぷりとお話を伺いたいと思います。

まずは「富士ヒル」について、僕もしょっちゅうこの番組で話しているのですが、まだご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんので、改めてどんな大会なのか、簡単に紹介をお願いします。

山本はい。「Mt.富士ヒルクライム」、通称「富士ヒル」と呼ばれていますが、これは山梨県富士吉田市にある富士北麓公園をスタートし、富士山五合目まで伸びている全長約24kmの富士スバルラインを自転車で走るヒルクライムレースです。

野島:僕はプライベートで友人に『「富士ヒル」というレースがあって、今度そこに出るんだ!』という話をすると、『五合目まで(自転車で)登るの?』ってみんなビックリするんですよね。『ずっと登りでしょ、そんなの登り切れるの?』という人が多いんですけど、実は「富士ヒル」の平均完走率は98%なんですよね。

山本:そうなんです。(「富士ヒル」は)ヒルクライムレースとしては標高差がすごくあって、標高が高いところからスタートするんですけど、勾配が緩やかなので完走率は高いんです。あとは、制限時間がゆったりとしているので初心者の方でも完走しやすく、(出場者に)やさしいヒルクライムレースとして親しまれております。

野島:(レースの)途中で息が苦しくなったり、足がつりそうになったりしたら、自転車から1回降りて休むことも可能ということですね。

山本:そうですね。息を整えてから再スタートできます。駐車場が3ヵ所くらいあるので、そこに自転車を寄せて休むこともできると思います。

◆去年の「富士ヒル」を振り返る

野島6月2日(日)の開催に向けて、現在の準備状況はいかがですか?

山本:今(収録時)はエントリーの最終調整と並行して、重要なサイクルエキスポやステージなどの意匠デザインを急ピッチで進めているところです。

野島:去年はこの番組から私と声優自転車チーム「VOICYCLE」のメンバーであり、声優の伊藤健太郎くん、お馴染み当番組の小西プロデューサーと、僕と小西プロデューサーが参加している「石垣島トライアスロン」のメンバーの石田純治さんが「富士ヒル」に参加しました。

そして、個人的なところでは(大会に向けて)トレーニングを重ねていたのですが、開催3ヵ月前に足を捻挫してしまい、全然トレーニングができない状態で臨んだんですけど、当日は天気も良く、とても気持ち良いコンディションでした。

前日まで雨が降っていて、走れるかどうか心配だったんですが、大会スタッフの皆さんがご尽力いただいて、みんなが気持ちよくレースに参加することができましたが、(去年は)8,000人弱ほど参加していたんですよね?

山本:そうですね。走られたのは8,000人弱です。

野島:コロナの影響などもあり、去年は4年ぶりのフルスペック開催ということで、僕もかなりテンション高く参加させていただいたのですが、大会は上位12名が57分台でゴール。年々レベルが上がっていますよね。

山本:すごい記録でした。1度記録が伸びるとどんどん伸びていくというのはスポーツではよくあることなんですけど、まさか「富士ヒル」がこんな形で記録が伸びていくとは。嬉しいんですけど、今後どうなっちゃうんだろうって思いもありますね(笑)。

野島:ですよね(笑)。でも、日本のサイクリストのレベルが上がっているという点ではとても嬉しいですよね。そうしたなか、去年は僕ら4人も無事に完走したわけですが、今年の「富士ヒル」は記念すべき第20回大会です。今の心境はいかがですか?

山本:皆さんのお力添えもあってコロナ禍をなんとか乗り切り、第20回大会を迎えることができましたが、参加者全員に満足していただけているかというとそうではなく、まだまだ課題も多いので、むしろ初心に戻って大会を進めていきたいと思っています。

◆記念すべき第20回大会、目玉のトピックスは?

野島:では、今大会の注目トピックスを教えてもらえますか。

山本:今回は第20回大会としてさまざまな企画を検討していますが、そのなかから3つ紹介したいと思います。1つ目は、富士吉田市自転車でパレードする「パレードライド」という企画を実施しようと思っています。

内容としては、市内中心部から会場までの数kmを自転車でパレードするんですけど、ただ走るだけでは面白くないので、例えば、仮装・コスプレみたいなことをしてみたりと、ちょっと楽しいライドにできればと思っているのですが、現在企画検討中です。

野島:構想としては、大会開催日前日、6月1日(土)におこなう感じですか?

山本:そうですね。サイクルエキスポの前に実施し、そのオープニングにパレードが入ってくる、そんな演出を考えています。

野島:なるほど。それは楽しそうですね。スケジュール次第ですが、私もあわよくば……。実現する暁にはご連絡いただければと思います。

山本:もちろん、ぜひご参加いただければと思います。そして2つ目は、今回は“Z世代割”と題して、若年層の参加料の一部を値下げしようかなと考えています。その背景としては、今後の人口減少に伴い、スポーツをする人が減ってしまうことも起こり得るので、少しでもスポーツをする人を増やす一助となるように若年層の割引をし、彼らにスポーツイベントに参加する機会を設けたいと思っています。

野島:金銭的な負担を軽減することで、若者はより参加しやすくなるということですね。

山本:(サイクルロードレース選手の)別府史之さんや新城幸也さんなどに続くような若者が出てくればなと。目標は高いですけど、そんな選手が出てきて、「若い頃に『富士ヒル』を走ったんですよ!」なんて言ってくれたら最高ですよね。

野島:本当に最高ですね。夢が広がります。

山本:3つ目は、これは4年目になるんですけど、オンライントレーニングプラットフォームのZwiftさんを舞台に『FUNRiDE presents Mt.富士ヒルクライム道場』をやります。今回は強力なパートナーであるスマートトレーナーのwahooさんも加わり、コンテンツがより充実していますので、ぜひこちらも参加いただければと思います。

◆野島、悲願の90分切りの秘策は?

野島:大会まで残り約4ヵ月。毎年言っていますが、今年こそ“富士ヒル90分切り”をしたいと思っています。リスナーの皆さんからしたら、もはや飽きているんじゃないかとも思いますが、本当に今年こそ90分を切りたい!

山本さんにも毎年アドバイスをお願いしているのに「全然90分を切らないじゃないか」と、若干イライラされているかもしれませんが、何かまだ策はありますでしょうか?

山本:これまで野島さんは筋トレをしたり、スイムをしたり、継続的にトレーニングをされていますが、そのなかで大事なのは90分間(自転車を)漕ぎ続けて全力を出す、そうした走り方をすることだと思うんです。

90分間はとにかく長いですから、それに向けたトレーニングが必要なんですけど、先ほどのZwiftなどオンライントレーニングが一番消耗する練習で、なおかつ周囲を気にすることなく走ることができると思います。

それに加え、野島さんぐらい運動をされている方でしたら、VO2 Max(最大酸素摂取量)を上げるようなインターバルのトレーニングを取り入れたほうがいいんじゃないかなと。

野島:具体的に言いますと、どのようなトレーニングをすればいいのでしょうか?

山本:全力疾走のペダリングを90秒やったら30秒休む、それを繰り返すトレーニングです。5回繰り返したら数分間クールダウンし、さらに5回やる。それを2セット程度。ちょっときついトレーニングなので毎日はできないんですけど、10日に1度とか。慣れてきたら週に1度くらいやって体に刺激を与える。

これはすごくコンディションが上がる練習です。ベースがしっかりついてきたらそういうトレーニングをして、コンディションを上げていくのがセオリーですね。

野島:去年、プロロードレーサーの狩野智也さんにお願いして、トレーニングのなかで3分間ひたすら本気で坂を登り、下るというのを何セットかやると教わったんですけど、それもやはり効果的なんですね。

山本:すごくいいトレーニングですね。

野島:でも、その3分間がえらく長く感じるんですよ。30分、40分、はたまた1時間くらいに。

山本:永遠の長さですよね、「精神と時の部屋」(漫画『ドラゴンボール』に登場する修行部屋)みたいな(笑)。

野島:でも、まさに「精神と時の部屋」のようにパフォーマンスがアップするトレーニングなんですよね。2人に言われてしまったら、これはもう絶対に取り入れていきたいと思います。ありがとうございます!

山本:ただ、このトレーニングで気をつけたいのは、やはり体ができてから。いきなりやってはダメです。しっかりベースを作ったうえで仕上げにやるトレーニングなので。

野島:体を壊したら元も子もないですからね。ほどほどを考えつつも、自分の限界を目指して、そのトレーニングをやっていきたいと思います。

さて、最後に「富士ヒル」に参加したことがない方々のために、改めて山本さんが思う「富士ヒル」の魅力を教えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

山本:やっぱり、国内外で人気のある“富士山”というコンテンツがあってのヒルクライムレースだと思っています。富士山自転車で登れる、しかも思い切り周囲を気にせず走れるということが最大の魅力かなと思います。

野島:そうですね。あとは先ほどもお話しましたが、完走率の高さ。初心者の方でも休み休みゆっくり、無理せず走れますしね。僕の場合は記録を目指していますが、それこそファンライドというか、楽しみながら景色や鳥の声だったり、自然を楽しみながらゆっくり走るのもありですよね。

山本:そうですね。幅広い層に門が開かれている大会なので、各々の楽しみ方で走っていただいてもいいと思います。

野島:一緒に走る伊藤健太郎くんは、記録よりも撮影。(自転車に)カメラを取り付けて動画を撮影しながら気持ちよく登っていくことを目標にしていますからね。それぞれいろいろな楽しみ方があるんだなと僕自身も思いますし、僕もある程度の記録を達成できたら、そっちに転向しようかなと。

山本:それはまだ早いです(笑)。

野島:ぜひまた(「富士ヒル」の)会場でお会いしましょう。いい結果をお伝えできるよう頑張りたいと思います!

山本:楽しみにしています。

2月18日(日)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、声優自転車チーム「VOICYCLE」メンバーの“イトケン”こと伊藤健太郎さんと参加した岡山県サイクリングイベント「TAMANO Cycling&Food」の模様を振り返ります。お楽しみに。

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<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:http://www.jfn.jp/toj
「富士ヒル」まで残り約4ヵ月…野島裕史が“悲願の90分切り”を目指し、教わった秘策のトレーニングとは?