強肩が魅力の山瀬は正捕手争いに食い込めるか(C)CoCoKARAnext

 舞台は宮崎から那覇へと移るなか、充実のキャンプを送っていると評判なのが、V奪回を目指す巨人です。

 今季から指揮を執る阿部慎之助監督のもと、センターラインの強化は重要課題。正捕手には打撃面でも期待される大城卓三が健在ですが、次世代の“扇の要”も着々と牙を研いでいます。星稜(石川)では奥川恭伸(現・ヤクルト)とバッテリーを組み、甲子園を沸かせた山瀬慎之助です。

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 プロ野球担当のデスクは言います。

「1軍の正捕手を務めるにあたって、何よりも重要なのは盗塁を阻止できる肩。山瀬にはそれがあります。座ったまま二塁へストライク送球できるなど、あのレジェンド城島健司を彷彿とする強肩ぶりを発揮している。キャンプ前にはソフトバンクの“甲斐キャノン”こと甲斐拓也捕手と4年連続で自主トレを行い、キャッチャーとしてのイロハを貪欲に吸収しました。宮崎キャンプでは星稜の大先輩・松井秀喜さんから打撃指導を受けるなど、躍進著しい逸材です」

 大城は今季31歳シーズン。今後も円熟味を増したリードや打撃でチームを牽引していきますが、8歳下に“後継者”が控えている現状は、チームとして理想的な展開と言えるでしょう。

「捕手は激務ですから、大差がついた時など、大城に代わって山瀬が試合に入りマスクをかぶることも長いシーズン、必要になってきます。そこで山瀬が攻守に優れた面を見せることができれば、『ポスト大城』としてレギュラー獲得にグッと近づくことになります」(前述のデスク

 思えば昨秋のドラフト会議、巨人は支配下5人、育成7人のホープを指名しましたが、捕手はゼロでした。裏を返せば、それぐらい現有戦力の中で、捕手については次世代までレールが引かれ、困らないとの判断がなされている証拠と言えます。

 山瀬の「慎之助」という名前はそもそも、巨人の正捕手に君臨した阿部慎之助にちなんでつけられたもの。そんな阿部監督のもとで、山瀬の才能が開花する可能性は十分あります。

 超満員の東京ドームが山瀬の「強肩発動」で沸き上がる。今季そのようなシーンが多々、見られるかもしれません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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