叔父のチョン・ジンマン(イ・ドンウク)“亡き後“、謎の殺し屋集団から突然命を狙われることになった主人公のチョン・ジアン(キム・へジュン)のサバイバルを描くドラマ「殺し屋たちの店」や、刑事となった財閥の御曹司チン・イス(アン・ボヒョン)が、“金”と“コネ”で犯罪者を追い詰めていく新しい魅力が詰まった痛快アクションコメディー「財閥 x 刑事」、2023年に韓国ドラマの枠を超えて大きな話題をさらった「ムービング」など、昨今ディズニープラスのスターで独占配信されている韓国ドラマは「アクションが見応えたっぷり」「壮絶なアクションシーンがすごい…!」「凄すぎて沼落ち寸前!」と話題だ。そこで今回は見応えのあるアクションが満載で、一度見たら“沼落ち”必至な注目作品をいくつか紹介する。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】流石は“アクションの天才”!イ・ドンウクが高い身体能力で華麗に大立ち回り!

■ドンウクを筆頭にキャストが挑んだ本格アクション

息つく暇も与えないスピード感で視聴者を引き込み、先日最終回が配信されたアクションドラマ「殺し屋たちの店」。同作ではドンウク演じる叔父ジンマンから“殺し屋御用達のオンライン兵器販売サイト=ショッピングモール”を遺産として引き継ぐことになった姪・ジアンの生き残りを賭けた死闘が描かれた。前触れもなく主人公のジアンがいきなり殺し屋に命を狙われるなど、序盤は分からないことだらけのストーリーだったものの、中盤〜後半にかけて徐々に紐解かれる伏線の数々、回想シーンでの出演者たちの見応えたっぷりのアクションシーンが映し出された。

特に5、6話では主人公のジアン、ミンへ(クム・ヘナ)、そしてジンマンの過去の激しい死闘が描かれた。今作のためにムエタイを特訓したというジアン役のヘジュンは、「すごく体格のいい傭兵と戦うシーンがあるんですが、本当に死に物狂いで頑張ったので期待していただければ」とインタビューでも語っていた通り、自分より長身で体格のいい傭兵との戦いでは華麗なアクションを披露。また、裏切り者の同級生ジョンミン(パク・チビン)が襲いかかるシーンでは、椅子を使った俊敏な動きでジョンミンを撃破した。

一方、“韓国のアンジェリーナ・ジョリー”とも称されるヘナが演じるミンへは序盤から戦闘シーンが多く、その中でも暗闇の中で複数の殺し屋を相手に次々と締め技を決めながら1人ずつ倒していく場面はハラハラするが、爽快感もたっぷり。“アクションの天才”ことドンウクをして「逆さまになって回転しながら銃を撃つシーンに惚れました」という、ヘナの華麗な立ち回りにも注目だ。

ジンマンの傭兵時代が回想された第6話では、ドンウクによるハイスピードなアクションに度肝を抜かれた。宿敵ベイル(チョ・ハンソン)との接近戦で互いにショートナイフを駆使し、ハイレベルで臨場感あふれるアクションシーンを展開。同シーンだけでなく、ストーリーはもとより、涼しい顔をして高難度なアクションを繰り広げるドンウクの動きはまさに圧巻の一言で、本作でメロメロになってしまった人も少なくないだろう。

■規格外の捜査方法と臨場感あふれるアクション

毎週金・土曜に配信中の「財閥 x 刑事」は、世間知らずの“財閥刑事”のイスを演じるボヒョンとイスのお世話係に任命されてしまった女性刑事のイ・ガンヒを演じるパク・ジヒョンが出演するアクションコメディー。2人は2度目の共演ということもあり、制作発表から息の合ったやりとりを見せていたが、本作では元アマチュアボクサーのボヒョンが犯人逮捕のためにリアルなアクションを披露している。刑事としては素人だが豪快な捜査に踏み込むイスは、第2話の終わりで早速ガンヒと共に、見事なバトルシーンを展開。キム・ジェホン監督は、“ボヒョンのヒーローとしての能力値”について、「想像以上です。僕が見てきた俳優の中で最高だと思います」と絶賛した。

一方、ジヒョンも刑事を演じるために体重を7kg程増量し、アクションスクールで技を身に付けたと明かしており、今後もガンヒとしてどんな手法で犯人を仕留めていくのか楽しみだ。

■俳優たちが本気で“魅せる”体当たりの演技

2024年に配信された2作品の他にも昨今の韓国ドラマは、俳優が体当たりで挑んだ上質なアクションシーンを楽しめる作品が多い印象だ。特殊能力を隠して現代を生きる子どもたちと、過去の秘密を抱える親たちが、時代を超えて、迫りくる悪と危険に立ち向かうSFアクションドラマ「ムービング」(2023年)では、体が浮いてしまう“飛行能力”を持つ主人公のキム・ボンソクを演じたイ・ジョンハはワイヤーアクションにも挑戦。穏やかなキャラクターを体現するため、体重を30kg増量して本作に臨んだという

次元の違うパワー、超人的な五感能力、治癒能力など異次元の力を持つキャラクターが多いが故に、単に殴り合ったり、銃で撃ち合ったりするだけではない異色のアクションも見どころの一つとなっている。

もちろんアクションだけでなく、現代と過去をそれぞれ丁寧に描き、やがて点と点がつながるストーリーも秀逸で、同作はアジア全域でテレビ、OTT(動画配信サービス)、オンラインコンテンツを対象に優れたコンテンツの功績を称えるイベント「アジアコンテンツ&グローバルOTTアワード」で最優秀クリエイテイブ賞を含む全6部門を受賞するなど、韓国内のみならず文字通りグローバルなヒットを記録した。

ナム・ジュヒョクが兵役前最後に挑んだドラマ「ヴィジランテ」(2023年)は、ジュヒョク演じる勤勉な警察学生キム・ジヨンが裏では“ヴィジランテ(自警団)”として法に代わり悪人に制裁を加えるという、いわゆるダークヒーローもの。身体能力に長けたジュヒョクによる見応えのある激しいアクションシーンがふんだんに組み込まれた。これまで割と穏やかなキャラクターを演じることが多かったジュヒョクのギャップに驚かされたという声も少なくない。また、正義のためなら暴力もいとわない異端刑事チョ・ホンを、ユ・ジテが体重を20kgも増量する肉体改造を行って演じたことも話題に。ジヨンとホンの闘いも見応えたっぷりだった。

■“アジアの貴公子”が血まみれに

そして、チ・チャンウクやウィ・ハジュンら人気俳優が共演したことでも話題となったドラマ「最悪の悪」(2023年)。麻薬取引の潜入捜査のために犯罪組織の仲間となるパク・ジュンモ(チャンウク)と組織のボス、チョン・ギチョル(ハジュン)らのスリリングなアクションは容赦ない描写も多く、思わず目を覆いたくなる人もいたのでは。襲撃された組織のアジトで血しぶきを浴びながら繰り広げるアクションシーンもあり、“アジアの貴公子”チャンウクや「イカゲーム」で話題のハジュンがダイナミックかつ繊細な演技を披露し、大きな反響があった。

それ以外にもまだまだ本格的なアクションシーンが堪能できるオリジナル韓国ドラマがディズニープラスでは多数独占配信中。一口に「アクション」と言ってもバイオレンス色が強いものから、ファンタジックなものまで幅広いので、自分の好みに合った作品をチェックしてみてほしい。

◆文=suzuki

「殺し屋たちの店」より/(C) 2024 Disney and its related entities.