現在、個々のメンバーが健康やフィットネスを向上させるための共同スペースであるスポーツジムが、ちょっとした問題を抱えている。
自撮りをしてワークアウトを披露するSNSインフルエンサーたちが多いために、他のメンバーが動画に映りこみ、プライバシーの侵害や撮影者を苛立たせる結果を引き起こしているのだ。
あるジムメンバーは、インフルエンサーがジムをまるで撮影スタジオのように使用し、他人を配慮していないことにうんざりしている。
その結果、インフルエンサーがワークアウト中に自分自身や他のメンバーを撮影する行為を禁止にするジムが複数出てきたようだ。
【画像】 同意なしで撮影されることにうんざりするジムのメンバーたち
自らの鍛え上げたボディやワークアウトの様子を見せたいインフルエンサーたちは、撮影場所としてジムを選ぶことが多い。
最先端のスクワットテクニックなどを披露したいがために、インフルエンサーがジム内で三脚を立ててまで自撮りをするケースが増えているのだ。
しかし、ジムは共同スペースだ。貸し切りでもしない限りは他のメンバーがマシンからマシンへ行き来する。
器具をつかもうとしてついカメラの前に入ったり横切ったりすると、撮影者は撮影を邪魔されたことでやり直しをしなければならず、極度の苛立ちを見せるという。
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だが、他のメンバーにとってはジム内での撮影は邪魔でしかない。
また、許可もなく撮影をすることで、関係のない他のメンバーが背景に入ってしまうことがある。そうなると、プライバシーの侵害だ。
普通にジムに通うメンバーたちは、インフルエンサーの同意のないこうした撮影行為にうんざりし、不快感を抱いている。
STOP WALKING IN FRONT OF MY CAMERA AT THE GYM
ジムメンバーがインフルエンサーに苛立ち
最近、ジムのインフルエンサーに対する苛立ちが頂点に達したあるジムメンバーの女性は、Redditにある事例を投稿をした。
私は地元のジムにいたが、かなり混んでいました。なんとかダンベルラックのある空いたベンチを見つけました。
もう1人の女性もベンチに陣取っていましたが、ベンチを本来の目的で使うのではなく自分の荷物を置くために使っていました。
そのインフルエンサーはラックの前にカメラを設置し、ストーリーを投稿するために撮影を始めました。
受付に行って従業員に言おうとしたとき、彼女のカメラの前に男性が歩いてきてウェイトを置くのが見えました。
その女性は不満そうな顔をしてリフティングをやめ、カメラのところに歩いて行きました。
女性がリフティングを再び始めたとき、同じ男性がカメラの前にまた歩いてきました。私は、彼がわざと彼女のカメラの前を歩いていることに気づきました。
すると、インフルエンサーは自分の邪魔をした男性に向かってこう言ったんです。
「ちょっと、あなた。私が録画しているのは見えますよね。」
すると男性はこう返しました。
「君も、実際にワークアウトしようとしている他の人たちが見えているでしょう。」
男性の言い返しにもかかわらず、インフルエンサーは自分自身を撮影し続けました。
その後、ジムにいた複数の人々が彼女と彼女のカメラの間を意図的に歩き始めました。私も参加してとびきりの笑顔とともに、バカ丁寧に「すみません」と言ってやりました。
インフルエンサーはついにあきらめ、ジムを出て行きました。
投稿主は、このようにも綴っている。
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インフルエンサーと呼ばれる人たちが、自分の動画を撮りたいために他人に迷惑をかけています。
もし、邪魔されることなく撮影したかったら、家ですればいい。このようなことが公共の場で蔓延しているのは疫病のようなものです。
ジムはフィットネスセンターであって、貸し切りのスタジオではありません。
他人を尊重できないなら撮影すべきではない
ワークアウトを目的としてジムに通うメンバーたちは、本来の目的をただこなしているだけだ。
にもかかわらず、インフルエンサーは動き回る彼らに苛立ち、舌打ちする。
それにうんざりしている別のジム利用者も、「共有スペースで他人を尊重できないなら、撮影する資格はない。」とRedditでシェアした。
あなたがインフルエンサーであっても、ジムではあなたの撮影が他のメンバーより優先されることはないのです。
他のメンバーはあなたと同じジムの会員費を払っています。責任ある撮影ができないのなら、共有スペースで他人を尊重できないのなら、撮影する資格はないと思います。
To act like she owns the gym.
byu/ASTATINE_628 intherewasanattempt
インフルエンサーがワークアウト中の撮影を禁止するジムも
近頃は、あまりに多くの人がTikTokやインスタグラムの動画のために自撮りをするようになったため、撮影機材を禁止し始めているジムも出ているそうだ。
オーストラリアでメルボルンに3店舗、パースに1店舗を構える「ドハーティーズ・ジム」では、プライバシーと安全性への懸念を理由に三脚での撮影を今後は許可しないと利用者に伝えた。
ワークアウトの様子を撮影したいインフルエンサーは、今後"メディアパス "を購入する必要があるという。
ジムのインスタグラムではこのようにシェアされている。
すべての会員に安全保護とプライバシーを提供することは私たちの義務です。
三脚は転倒の危険性があり、安全上の懸念事項となっています。
また、ジムのオーナーであるトニー・ドハーティーさんはこのように話している。
トレーニング中にどうしてもスマホで動画を撮りたい場合は、背後にいる人に注意し、もし写っていたら投稿や共有に同意してもらうようにしてください。
それよりも、スマホを置いてトレーニングに集中しましょう。三脚を立てている人たちには不評かもしれませんが、他の人たちは三脚を使わなくて済むことに感謝するでしょう。
インフルエンサーはワークアウトを含め、生活のあらゆる面を撮影したいでしょうけど、だからと言って他のみんなが映りたいとは限りません。
ジムのフロントデスクでは、会員と一般客に「過度なうなり声」と「写真撮影は事前予約制」についても注意を促している。
ウエイトを片付けずに帰ったり、ジムのエチケットを守らなかったりする人たちがいますが、ジムは神聖な場所です。敬いの気持ちを持っていただきたい。
私たちはジムでは対等であり、自分勝手な振る舞いは許されるべきではありません。例外も言い訳もありません。(ドハーティーさん)
ちなみに、イギリスで行われたある研究によると、トレーニング中の自分を撮影してSNSに投稿する人は、ナルシストである可能性が高いそうだ。
ナルシストほど自分の成果を頻繁に更新しているが、これはSNSのコミュニティから注目され、評価されたいという欲求に突き動かされている。
とにかく、共同スペースでは誰もが周りに気遣う気持ちを持って行動することが大切だといえよう。
References:Gym unites to stop influencer from filming themselves (and everyone else) while working out / written by Scarlet / edited by parumo
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