回収後はアメリカ政府に返却。

第一次大戦中に撃沈された駆逐艦

イギリス海軍は2024年2月13日アメリカ海軍史上初めて失われた駆逐艦である、タッカー級駆逐艦ジェイコブ・ジョーンズ」の鐘(船鐘)を国防省のサルベージチームが回収したと発表しました。

同艦が沈んだのは今から約107年前の第一次世界大戦中で、1917年12月にアイルランド南部からブルターニュまで兵力と物資の輸送船団を護衛した6隻の駆逐艦のうちの1隻でした。

この任務中、「ジェイコブ・ジョーンズ」はドイツ潜水艦であるU-53の魚雷攻撃を受け、わずか8分で撃沈したそうで、乗組員の約3分の1しか生存者はいなかったとのことです。

その後、「ジェイコブ・ジョーンズ」は2021年8月にシリー諸島の南約30マイル(約48km)の地点で、水深約375フィート(約114m)の海底に沈んでいることを、テクニカルダイビングチームが発見しました。

沈没地点が明らかになり、サルベージも比較的簡単な水深ということから、同艦の象徴である船鐘が悪質なハンターにより盗難される危険性があるとして海軍歴史遺産司令部が国防省に支援を要請。今回の回収に至ったとのことです。

なお回収した船鐘は、アメリカ政府に返却された後、ワシントンDCにある「NHHC 海軍水中考古学ユニット」の専門家に渡される予定とのことです。

タッカー級駆逐艦「ジェイコブ・ジョーンズ」(画像:アメリカ海軍)。