ジョン・レノンは、ザ・ビートルズを「本当にバカにした」モハメド・アリを嫌っていたという。

1964年2月、両者が正にスターダムを駆け上がる直前、同バンドの最初のアメリカ旅行で、ジョンとアリは出会ったそうで、当時はまだカシアス・クレイという出生名で知られていた“伝説的ボクサー”アリが相手を侮辱したため、ミーティングはうまくいかなかったそうだ。

当時、写真家のハリー・ベンソンが、ソニー・リストンとの試合を控えていたアリを、「エド・サリバン・ショー」の出演待ちをしていたザ・ビートルズに会わせたそうで、ニューヨーク・ポスト紙でハリーはこう回想している。

「アリは彼らを圧倒していた。アリの口癖は『自分がイケてると思ってるのか? お前たちはちっぽけで、小さくて、小さな男だ。俺を見ろ!』だった」
「特にレノンポール・マッカートニーが気に入らなかった。その後、ジョンは私に言ったんだ。『彼は僕らを本当にバカにしてるよね』って」

さらにハリーによると、1980年に亡くなったジョン、バンドメイトであるポール・マッカートニーリンゴ・スター、そして故ジョージ・ハリスンの4人は、その結果3か月間ハリーと話すことを拒否したという。

なお、2016年に74歳で死去したアリについて、ジョージは以前「かなりキュート」だと評し、アリが自分たちに会うのに「大騒ぎしていた」と語っており、 「モハメドは彼らのことなど気にも留めなかった」と証言するハリーの記憶とは違ったものとなっている。

また、2016年にアリが亡くなった時、ポールは自分たちが出会った時の写真をシェアし、こう綴っていた。

「マイアミで初めて会った日から、彼は素晴らしかった。 ユーモアのセンスに溢れた美しく優しい人だった」