「ジャンボ機」と呼ばれ世界中で飛び交っていたものの、徐々にその機数を減らしつつある「ボーイング747」。タイには「退役した747をまるごとカフェにした」という驚きの施設があります。実際に行ってみました。

元オリエント・タイ航空の747-400

「ジャンボ機」と呼ばれ、日本国内をはじめとする多くの航空会社で半世紀にわたり主力機として使われたボーイング747。2023年にはシリーズの生産が終了し、その機数もどんどん減りつつあります。そのようななか、タイ・バンコク近郊には驚きの“余生”を過ごす1機の747があります。

バンコクの空の玄関口、スワンナプーム国際空港から北東に5kmほど離れた位置にあるのが「747カフェ」。その名の通り、747の実機をまるごとカフェの店舗として使用しているのです。機体はかつて同国にあった「オリエント・タイ航空」で使用されていた747-400「HS-STA」です。

外観はほぼそのままながら塗装は「747カフェ」仕様に塗り替えられており、それを囲むようにクラブスペースやレストランエリアがあります。機内への入り口は空港のチケットカウンターを、入場券は航空便の搭乗券をそれぞれ模したもので、機内へ入る階段には「出発案内表」もあり、大阪行きのANA(全日空)便や東京行きのJAL日本航空)便などといった便名の記載が見られます。

スゴイところまで行けちゃう「747カフェ」の内部とは

その“機内”へ入ってみます。客室1階部の床は滑走路をイメージしたものとなっていて、そこにさまざまな形状の椅子やソファが並んでいるほか、実機パーツを用いたインテリアも。その一方で、壁部分などは実機の構造物がむき出しになっているなど、航空ファンにはたまらない室内といえるでしょう。

1階最前部はフォトスポットとなっており、「ジャンボ機」の特徴である2階席に行くこともでき、コクピットに入ることもできます。

また、機体中央部には外への出口があり、そこから主翼の上に行くことができます。エンジン部は内部の機構が取り払われてカバー(カウル)のみになっていますが、そのカウルのなかに入ることができるなど、実機ではまず体験できないエリアもあるのが特徴です。

747カフェ」は航空ファン向けだけではなく、いわゆる“映え”を意識した作りとなっていて、若い女性などの観光客の姿も多く見られるのも特徴です。入場券は120バーツ(約500円)ですが、これはドリンク引換券としても利用できます。

「747カフェ」の施設内(乗りものニュース編集部撮影)。