2月16日(金) KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ』が開幕し、併せて舞台写真と演出の小山ゆうなダブルキャストの片桐はいり、安藤玉恵のコメントが到着した。

本公演は、死に直面する7歳の少女スプーンフェイスを通じて命の輝き、生きる意味を問う珠玉の一人芝居。原作はミュージカルビリーエリオットリトルダンサー~』や映画『ロケットマン』の脚本で知られる劇作家リー・ホールによるラジオドラマ。これまでにラジオ放送のほか、1998年テレビドラマ化、2000年に舞台化され、日本では2010年に現KAAT神奈川芸術劇場芸術監督・長塚圭史のリーディング公演として上演された。

演出を手がけるのは、2017年『チック』で第10回小田島雄志・翻訳戯曲賞および第25回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した小山ゆうな。2022年2月に上演した『ラビット・ホール』(作:デヴィット・リンゼイ=アベアー)では、息子の死に向き合う母親の心の動きを繊細に表現し、高い評価を得た。本作で再び“子どもの死”をテーマに扱うことについて、「人の生き死にと向き合う事が演劇をやるという事でもありますし、(中略)私も覚悟を決めて作品に真っすぐ向き合いたいと思います」と決意を語っている。

7歳の少女スプーンフェイスを演じるのは、ドラマ・映画・舞台・文筆など幅広く活躍する片桐はいりと、『桜の園』(2023) や『阿修羅のごとく』(2022) などの話題舞台に次々出演し、連続テレビ小説らんまん』や東京ガステレビCMでも注目を浴びる安藤玉恵。舞台俳優としてキャリアをスタートし、映像作品でも個性が光るふたりが、一人芝居をダブルキャストで務める。

<コメント 全文>
■小山ゆうな(演出)
この一人芝居を引き受けここまで弛まぬ努力で作り上げてくださった片桐さん・安藤さんお二人に拍手!
スプーンフェイスは「勇気」があると周りの人に言われますが、お二人も勇気があるかっこいい俳優さんたちだという事を改めて感じました。
客席も近く、正に客席と一緒につくり上げられていく作品。
お客様と演者の間に火花が起きる瞬間を沢山感じました。
お客様も本当にありがとうございます。
今しか観る事のできない、正にライブな素敵な作品なので沢山の方に、そして出来れば両バージョン観ていただきたいです。

■片桐はいり
ここ数カ月スプーンフェイスと過ごして、生きること死ぬことのいろんなことに、七歳の哲学とちょっとシビアなユーモアで立ち向かう彼女にすっかり感化され、わたしもこの世でもっとも苦手なこと、セリフをたくさんしゃべること、死について考えること、がほんのちょっと怖くなくなってきました。奇跡! 安藤玉恵さんと二種類の違うタイプのミラクルを、ぜひ皆さんにもおすそ分けしたいです。

■安藤玉恵
はいりさんと一緒のお稽古の何が素晴らしかったのかと言うと、演技に対して厳しい先輩が、私をじっと見ているという緊張感でした。演出の小山さんは、私のチャレンジを尊重して、変化に敏感に反応してくださって、いろんな話をしながらいい稽古時間を過ごしました。今、やる気に満ちているのは小山さんのおかげです。
緊張とどう向き合うか、出る前の舞台袖で考えていました。お見せできるという高揚も、かみしめていました。
スプーンフェイス・スタインバーグ、初日の幕が開きました。
翻訳も美術も衣装も照明も音響も映像も、制作さんたちもみーんな素敵です。
毎ステージ、じっくりと丁寧に、やりたいと思っています。

<公演情報>
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ』

2月16日(金)~3月3日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

作:リー・ホール
翻訳:常田景子
演出:小山ゆうな
Wキャスト:片桐はいり 安藤玉恵

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2347312

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーン フェイス・スタインバーグ』より 撮影:渞忠之