犬好きからすると、街中で見かける犬の散歩はまさにボーナスタイム。嬉しそうに駆け回る犬の姿を見て、目を細めた経験はないだろうか。

しかし以前X(旧・ツイッター)上では、あまりに危険すぎる犬の散歩が大いに物議を醸していたのだ…。

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■この散歩、絶対にあり得ない…

今回注目したいのは、Xユーザー・りんさんが投稿した1件のポスト。

「散歩の仕方イカれとるだろ」と意味深な1文の綴られた投稿には、リードに繋がれた状態で路上を歩く犬の姿を収めた写真が添えられている。これだけであれば、何の変哲もない光景なのだが…。

犬の散歩

なんと、犬の飼い主は運転中の「車内」からリードを手にし、犬の散歩をしていたのだ。

 

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■「犬を飼う資格ない」と怒りの声

非常に危険な行為はネット上で大いに物議を醸し、件のポストは投稿からわずか数日で1万件以上ものリポストを記録するほど大きな話題に。

他のXユーザーからは「車に犬を巻き込んだら、どうするのか…」「後続車に対しても犬に対しても、あり得ない」「これは犬がかわいそう」「この人に犬を飼う資格はないだろ」「絶対許してはいけない」など、驚きと怒りの声が多数寄せられている。

犬の散歩

ポスト投稿主・りんさんに詳しい話を聞いたところ、こちらの光景は広島県広島市西区にて目撃したもので、車は時速30〜40kmほどの速さで走行していたことが判明。

道路交通法第70条「安全運転の義務」に抵触すると思われる行為だが、警察庁の資料を確認したところ「(前略)ハンドル・ブレーキ等を確実に操作できず、他人に危害を及ぼすような方法で運転してはならない(そのような行為自体を禁止している都道府県もある)」という説明が確認できた。

都道府県によって、事情が異なるケースもあるのだろう。そこで今回は「広島県警察」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、該当行為は「3つの罪」に問われる可能性があると明らかになったのだ。

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■「2つの課の回答」が納得でしかない…

広島県警「交通指導課」の担当者は、「当該行為を統計上集計していないため、事例の有無については回答しかねます」と前置き。その上で、やはり前出の道路交通法第70条「安全運転義務違反」に該当する可能性がある、と指摘していた。

次いで、同県警の「生活環境課」担当者は、「本件行為に対する『動物愛護法』の適用が考えられるのは、44条に規定する『愛護動物の殺傷および虐待』です」と説明。

犬は「愛護動物」に含まれるため、愛護動物をみだりに殺し、または傷つけることにより成立する「愛護動物殺傷罪」に問われる可能性がある。

また同法では、みだりに外傷を負わせる可能性がある行為、衰弱させる行為も規制されている。外傷を負わせる行為とは「殺傷に至らない不法な有形力の行使」を指し、これらに抵触する場合は「愛護動物虐待罪」に問われる可能性があるのだ。

 

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■犯罪が成立するか「判断できない」

…と、ここで明記しておきたいのが、いずれの罪状もあくまで可能性の話で、本件を外形的に見ただけでは「犯罪が成立するか否かは判断できない」という点。

広島県警の担当者らも「被疑者の目的や愛護動物の健康状態、現場の状況等を詳細に捜査しなければ判断できかねます」と補足していた。

「ペットを飼う」という行為は「動物の命を預かる」と同義。飼い主には動物が健康で快適に暮らせるようにし、最後まで飼い続ける義務と責任が発生する。

自身の軽率な振る舞いや横着が、小さな命を危険に晒していないか、全ての飼い主はいま一度自身の振る舞いを省みてほしい。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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