ラ・リーガ第25節、マジョルカvsレアル・ソシエダが18日にエスタディ・デ・ソン・モイシュで行われ、アウェイのソシエダが1-2で勝利した。なお、ソシエダのMF久保建英はフル出場した。

7位のソシエダは、直近のコパ・デル・レイで接戦を演じた16位のマジョルカと対戦した。前節のオサスナ戦を0-1で落としたチームは、直近のチャンピオンズリーグ(CL)のパリ・サンジェルマン戦に0-2で敗れて公式戦連敗。さらに、公式戦5試合連続無得点と苦しい戦いが続く。

久々の得点と共に白星を目指したこの一戦では、PSG戦から先発2人を変更。アンドレシウバ、バレネチェアに代わってサディク、ザハリャンが久保とトリデンテを組んだ。なお、オヤルサバルは再びのベンチ外となった。

コパ前回対戦はクローズな展開でのゴールレスドローとなったが、この試合ではいきなりスコアが動く。4分、マジョルカが相手陣内右サイドでのロングスローをボックス内のラリンがマイナスに落とすと、これに前向きで反応したアントニオサンチェスが左足のボレーシュートをゴール左下隅に突き刺した。

一瞬の緩みから先制を許したソシエダは、ラリンとの接触で鼻から流血したスベルディアの応急処置による数分間の中断を経てすぐさま反撃に転じる。

12分にはボックス右でボールを受けた久保からのマイナスの折り返しに反応したスビメンディが、利き足とは逆の右足ダイレクトシュートでゴールに迫る。だが、これはGKライコビッチの好守に遭う。さらに、16分にはゴール前に飛び込んできたメリーノのヘディングでの落としをサディクがダイレクトで狙うが、これは枠を捉え切れない。

以降は後ろ重心のマジョルカの守備ブロックの前でボールを動かすにとどまるラ・レアル。公式戦5試合連続無得点という現状を反映するかのごとく、なかなか攻め手を見いだせない。

しかし、その苦境のなかでやはり決定的な仕事を果たしたのは、頼れる日本人エースだった。

38分、ハーフウェイライン付近でボールキープを試みたムリキを2人で囲んでスベルディアがボール奪取。右サイドで浮いた久保に縦パスを送る。得意のカットインでボックス付近まで運ぶと、対峙したDFナスタシッチの股間を抜く鋭い左足シュート。これがGKライコビッチの手をはじいてゴール左隅に突き刺さった。

昨年12月9日ビジャレアル戦以来、今季リーグ7点目となる久保の恩返しゴールによって公式戦6試合ぶりにゴールを挙げたソシエダは、そのままの勢いで追加点を目指していく。終盤にかけてはセットプレーを起点にメリーノらが決定機に迫る。

ハーフタイム直前には再三の判定にフラストレーションを溜めたマジョルカ陣営が熱くなったなか、カピタンのライージョが続けて2枚のカードを受けて退場となり、スコアは1-1のイーブンもラ・レアルが数的優位を得て試合を折り返した。

後半は専守防衛のマジョルカ、リスクを冒してゴールを目指すソシエダという明確な構図の下で進んでいく。

相手が10人で守り慣れる前にゴールをこじ開けたいイマノルのチームは、引いた相手を外に広げつつミドルシュートやセットプレーと幾つかの形からゴールを目指す。しかし、アギーレ監督の下で堅守速攻を常とするホームチームのソリッドな守備に手を焼く。

結局、早い時間帯にゴールを奪えなかったラ・レアルは、アンドレシウバ、バレネチェア、トゥリエンテスと異なる特徴を持つ前線の選手を投入し、攻撃に変化を加えていく。しかし、適宜フレッシュな選手を投入し、守備の強度を落とさないタフなマジョルカを前に逆転ゴールが遠い。頼みの久保はゴール前を固めつつも、自身がボールを持った際にはしっかりと寄せてくる相手の守備にうまく対応される。

1-1のまま試合は最終盤に突入するも、ボックス右角で久保が放った左足シュートもわずかにクロスバーの上を越える。これで万事休すかに思われたが、最後の最後にゴールをこじ開けた。

93分、相手陣内左サイドからパチェコが正確なクロスを供給すると、ゴール前にポジションを取っていたメリーノが渾身のヘディングシュートをゴール右隅に突き刺した。

そして、このまま何とか逃げ切ったソシエダが久保の恩返し弾とメリーノの土壇場弾によって公式戦6試合ぶりの白星を手にした。一方、物議を醸す再三の判定で悔しい負けとなったマジョルカは、試合終了後に出場がなかった控えDFファン・デル・ヘイデンも主審への抗議で退場となる後味の悪い幕切れとなった。