作詞家で音楽プロデューサーの秋元康氏が、とある披露宴で「ダダ滑り」状態だったというタレント・笑福亭鶴瓶のエピソードを紹介した。

 秋元氏がパーソナリティを務めるラジオ番組「いいこと、聴いた」(TOKYO FM)の2月11日放送回では、お笑い芸人・バカリズムをゲストに迎え、トークを展開。バカリズムによると、お笑いの世界には「スベってもいい芸人」と「ダメな芸人」がいるといい、「キャリアに関係なくイジられる芸人は、スベっても逆に面白くなる」のだという。

 逆にバカリズム自身は芸歴29年とベテランの域に入りつつあることから、「僕の場合は失敗しちゃいけないタイプ。周りが扱いに困っちゃうから」と分析した。

 これを受け、秋元氏は過去にタモリ明石家さんま爆笑問題、ダウンタウンといった豪華なメンバーが集まった業界人の披露宴での出来事を思い出したという。そこでは鶴瓶がスピーチのために登壇したが、秋元氏いわく「もうダダ滑り」。しかし、「スベっても鶴瓶さんの話芸ってスゴい。スベってることで本人が笑い始めて、それをネタにタモリさんもさんまさんもその後にみんなでネタにするから」と、結果的には“盛り上がった”と振り返った。これに、バカリズムは「どっちに転んでも必ず面白くなるタイプですもんね」「そういう方は最強です。うらやましいなぁと思う」などと納得したのだった。

「鶴瓶のそうした役回りについては、ダウンタウン・松本人志上沼恵美子も番組内で絶賛したことがあります。2019年11月放送の『快傑えみちゃんねる』(関西テレビ)の中で、上沼が『“この人には参ったな”っていう人はいますか?』と聞くと、松本は『よく言うのは鶴瓶さんじゃないですか。実は“鶴瓶最強説”って、ずっと思ってて。あの人のずっとてのひらで、こっちが勝ったような気になるんですけど、よく考えたらやっぱり負けてたなってなる。勝つ気のない剣豪なんで、勝てないんですよ。そういう意味じゃ、最強』と熱弁。さらに、収録中のスタジオでは『ボコボコにさせてくれる』ものの、『家に帰ったら負けたような気がする。何なんでしょうね』と鶴瓶の不思議な存在感を語ると、上沼も共演時を思い出しながら『私がほとんどしゃべるんですよ。全部しんどいエネルギーは私に出させて、結果、向こうが全部持っていってる』とコメント。鶴瓶の“ズルさ”を『人たらしの天才』とも表現していました」(テレビ誌ライター)

 長く芸能界に生き残り続ける鶴瓶は、特に同じ界隈の玄人から大絶賛を受けるタイプのタレントのようだ。

(木村慎吾)

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