日本財団「海と灯台プロジェクト」を推進する一般社団法人海洋文化創造フォーラムは、2024年2月14日(水)に、灯台利活用に取り組む全国11地域の関係者らが今年度の取り組みや今後の展望を発表する「海と灯台プロジェクト2023 成果報告会」を開催しました。このイベントは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、日本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施したものです。

  • イベント概要 

当法人は今年度、灯台の存在価値を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していくことを目的に、灯台の調査や施設整備などを取り組む団体に対して資金および企画運営の助言等のサポートを行う「新たな灯台利活用モデル事業」を行いました。これにより全国11地域で自治体や地元企業などが中心となり、灯台に関する調査研究や灯台を利活用したイベント・地域活性化事業などが展開されました。

その成果を振り返り、得られた知見を共有するため、各地域の事業担当者・関係者が一堂に会し、今年度の取り組み概要と得られた成果、今後の課題や展望などを発表しました。また、共催である日本財団の海野光行常務理事が、今後の「海と灯台プロジェクト」に関する発表を行いました。

海と灯台プロジェクト2023 成果報告会

2024年2月14日(水)13:00~17:00

日本財団ビル2階大会議室(東京都港区⾚坂1-2-2)


灯台利活用に取り組む各地域の代表者と灯台の利活用に関心をもつ自治体・企業・団体関係者など80名


13:00~ 開会、プロジェクト概要説明

13:15~15:50 全国11地域で行った調査・利活用の成果報告、日本財団海野光行常務による発表

15:50~17:00 交流・名刺交換タイム

一般社団法人海洋文化創造フォーラム

日本財団 海と日本プロジェクト

  • 全国11地域の灯台に関する調査・利活用の成果発表                  

日本財団「海と灯台プロジェクト」の助成金を活用して「新たな灯台利活用モデル事業」に取り組んだ全国11地域の代表者が登壇し、今年度の取り組みと成果について発表しました。

長崎県平戸市の「灯台からのメッセージ運営委員会」は、市街北西にある「生月島」の南北にある2つの灯台(大バエ鼻灯台・長瀬鼻灯台)を新たなストーリーでつなぐイベント「ツナガル灯台マルシェ」を開いた事例を紹介。南北で歴史的背景や文化が異なる島全体の交流促進や活性化に大きな手ごたえがあったと話しました。

愛知県美浜町の「野間埼灯台ポータル化実行委員会」は、これまで取り組んできた灯台の利活用を持続させ、さらに発展させるために「現代版灯台守」を任命したことを発表。名古屋から移住したカップルが11月から活動を開始し、既に新たな取り組みを幾つも進めていることが紹介されました。

富山県黒部市の「生地地区灯台利活用プロジェクト実行委員会」は、漁師たちの願いによって建設され、大切にされてきた生地鼻灯台の利活用について発表。灯台を地域の「かがり火」ととらえ、灯台が本領を発揮する夜に地元の人がその下に集い、食と音楽を楽しむイベント「灯台ナイトマーケット」を開き、近隣市町村からも多くの来場があったことを報告しました。

全11地域の成果発表については、今後「海と灯台プロジェクト」ホームページに順次掲載する予定です。

https://toudai.uminohi.jp/

  • 「日本の灯台群を世界遺産にする」を目標に

11地域の成果発表に続き、長年にわたって灯台の利活用の推進に携わってきた日本財団の海野光行常務理事が登壇し、「海と灯台プロジェクト」発足の経緯や、これまでの活動を通して得られた気付き、プロジェクトが掲げる新たな目標について説明しました。

日本財団は2016年に「海と日本プロジェクト」を始め、その一環として灯台の事業を推進してきました。その理由は「灯台をつなげたい」と思ったからです。これまで、灯台と地域、灯台と周辺施設はあまりつながっていませんでした。さらに、灯台同士もつながりを持たず、陸上でバラバラに存在していたような状況でした。

こうした状況を踏まえ、日本財団は灯台を地域の人々との交流の拠点にしようと考えました。そこからさらに、さまざまな事業を通して灯台同士をつなぐ取り組みをしてきました。

今年度、全国11地域で取り組んでいる「新たな灯台利活用モデル事業」も、人と灯台、地域と灯台のつながりを広げ、どのような可能性があるのかをさまざまな視点から検証しています。


「灯台の新たな利活用」3つの視点

私たちは灯台の新たな利活用について3つの視点で考えています。1つ目は、灯台が持つストーリーの磨き上げ、2つ目はインパクトと話題性、3つ目は異分野・異業種との連携による新たな視点です。つまり、過去から現在、そして未来に向けた時間軸でとらえることが大事だと感じています。


灯台を見るときの視点とは

昨年スコットランドに行き、日本の灯台の父・ブラントンが日本を訪れる前に学んだ灯台専門の建築家ロバートスティーブンソンが手掛けたコズウォール灯台に宿泊してきました。明治時代には多くの日本人がスコットランドで技術を習得し、日本に取り込んで進化させてきました。灯台の利活用のあり方についても、海外で学びつつ、日本のやり方とおもてなしをうまく取り入れていくと、おそらく日本のほうが十分できると感じました。

さまざまな経験を通して得た、気付きの視点があります。「灯台を見る」だけでなく、灯台が建っている場所、つまり地理、歴史、文化などを含む「灯台と周辺環境との関係をみる」ことが重要だということです。航路標識のあり方は時代とともに変化しています。灯台は役割を終えたわけではなく、国際社会の中でまさに新しい利活用が注目されているのです。


「海と灯台プロジェクト」が掲げる目標

今後、「海と灯台プロジェクト」として一致団結して取り組む共通目標を考えました。その共通目標とは、「日本の灯台群を世界遺産にする」ことです。

専門家によれば、日本の「世界遺産」運動はこれまで、陸域のみに焦点が当たり、海洋文化の視点にはあまり目が向けられてこなかったそうです。日本は四方を海に囲まれた海洋国家で、海との関わりの中で文化や生業を育んできました。灯台には、地理、歴史、文化といった周辺環境と海との関係が内包されています。「海と人との関わり」のストーリーに価値を見いだし、日本の灯台群全体を海洋文化遺産として大きくとらえ直す時期が来ているのではないでしょうか。

各地域が個性を活かして活動を行い、最終的に「世界遺産」という目標につながるような形で「海と灯台プロジェクト」全体が盛り上がっていくことを願っています。


<団体概要>

名称:一般社団法人海洋文化創造フォーラム

URL:https://toudai.uminohi.jp/


海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業

日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、日本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」。その取り組みのひとつである「新たな灯台利活用モデル事業」は、灯台の様々な利活用モデルを創出することで、灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していくことを目的としています。

海と日本プロジェクト公式サイト https://uminohi.jp/

海と灯台プロジェクト公式サイト https://toudai.uminohi.jp/

配信元企業:海と日本プロジェクト広報事務局

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