東武東上線でもかなり乗降客が多い乗換駅にも関わらず、エレベーターがない――そんな「朝霞台」駅の状況が解消されます。ただ、変化はそれだけにとどまらないかもしれません。

東武東上線の朝霞台駅にエレベーターを設置

東武鉄道は2024年2月16日東上線朝霞台駅埼玉県朝霞市)にエレベーターを設置すると発表しました。2025年度の完成を目指し、工事を進めていくとしています。

朝霞台駅の乗降人員は14万3856人(2022年度)。東上線では池袋駅和光市駅に次ぐ3位となっており、JR武蔵野線北朝霞駅との乗換駅でもあります。ただ、利用者数が多いにも関わらず、駅構内にエレベーターがなく、設置要望が非常に多く寄せられていたといいます。

駅舎は1974年に新築された橋上駅舎で、東武鉄道によると、「現在は車椅子対応型エスカレーターで段差解消を行っている状態」(広報部)だといいます。

朝霞台駅周辺は防火地域に指定されており、駅舎改修を行う際には建物全体を耐火構造にする必要があり、現状のままエレベーターを設置するのが難しい状況だったそうです。そこで、道路法に基づく「道路工作物」としてエレベーターを設置する方向で、朝霞市東武鉄道に働きかけを行ったのだとか。

東武鉄道と市は2022年6月7日、エレベーター設置など、バリアフリー設備の整備検討を推進する覚書を締結。東武鉄道の2023年度設備投資計画には、朝霞台駅へのエレベーター設置工事が盛り込まれ、ようやく実現の運びとなりました。

「改修難しい」駅だったけど…だいぶ変わる?

朝霞台駅のエレベーターは改札内2か所、改札外4か所に新設。改札外エレベーターについては駅前広場を活用して設置する予定です。合わせてバリアフリートイレも新設するといいます。

喫緊の課題であったエレベーターの設置については目途がついた形ですが、将来的に朝霞台駅は、更なる変化を遂げる可能性もあります。

東武鉄道は、沿線の中間にある乗換駅などを「集客拠点駅」に位置づけ、開発を推進する方針を打ち出しています。集客拠点駅では、駅ビルや駅ナカの新規開発やリニューアルなどを行う方針。今後は春日部駅朝霞台駅などの開発に注力するとしています。

朝霞台駅には現在、「エキア」や「ヴァリエ」といった東武鉄道の駅商業施設はありません。今後の駅舎大規模改修については「現時点では未定」(東武鉄道広報部)とのことですが、「集客拠点駅」としてどのような変化を遂げるのでしょうか。

東武東上線の車両(画像:写真AC)。