“アニメのアカデミー賞”と称されるアニー賞の第51回授賞式が、現地時間2月17日ロサンゼルスのUCLAロイス・ホールで開催され、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が最多7部門、スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』が見事2冠に輝いた。

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 ソニー・ピクチャーズ・アニメーションの『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、2019年に公開された『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編。長編アニメーション作品賞を含む7冠となったが、アカデミー長編アニメ映画賞を獲得した前作もまた、アニー賞では同じく7つの賞を獲得しており、オスカーに向けてひとつ実績を重ねる形となった。

 宮崎駿監督10年ぶりの最新作『君たちはどう生きるか』は、第2次世界大戦下の日本を舞台に、母を亡くした少年が不気味な青サギによって、不思議な世界にいざなわれるさまを描く。英語版ではタイトルを「The Boy and the Heron」とし、クリスチャン・ベールデイブ・バウティスタ、ジェンマ・チャン、ウィレム・デフォー、カレン・フクハラ、マーク・ハミルロバート・パティンソン、フローレンス・ピューなど豪華キャストが声優を務めたことも話題を集めた。アニー賞では、キャラクターアニメーション賞(長編)と絵コンテ賞(長編)を受賞。来月開催されるアカデミー賞にも候補入りを果たしている。

 またテレビ部門では、Netflixシリーズ『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』が6賞と席巻し、白砂由佳がで編集賞(テレビ/メディア)を受賞。

 このほか日本からは、『君たちはどう生きるか』でも音楽を手掛けた久石譲が、生涯及びキャリア功労賞のウィンザー・マッケイ賞を贈られたほか、新海誠監督の『すずめの戸締まり』が長編アニメーション作品賞など7部門でノミネートされていた。

 第51回アニー賞の主な受賞結果は下記の通り(一部抜粋)

■長編アニメーション作品賞
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

■長編インディペンデント作品賞
『ロボット・ドリームズ』

■監督賞(長編)
ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソンスパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

■キャラクターデザイン賞(長編)
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

絵コンテ賞(長編)
君たちはどう生きるか

■声優賞(長編)
クロエグレース・モレッツ『ニモーナ』

■脚本賞(長編)
ロバート・L・ベアード、ロイド・テイラー『ニモーナ』

■キャラクターアニメーション賞(長編)
君たちはどう生きるか

■美術賞(長編)
パトリック・オキーフ、ディーンゴードンスパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

■編集賞(長編)
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

■編集賞(テレビ/メディア)
白砂由佳「BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ」

宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記

映画『君たちはどう生きるか』北米版ポスター (C)2023 Studio Ghibli