警察の裏をかく逆転の発想。つまりは立派な犯罪なのだが、先月中国で、運送会社を経営する女性が警察車両に仕掛けたとんでもない犯行が発覚し、その後逮捕される事件があった。
なんとこの社長、自社のトラックへの取り締まりを逃れるために、GPS でパトカーをこっそり追跡するという思いつきを実行したのだ。
大胆にも自ら6台のパトカーにGPSデバイスを取り付け、その位置をトラックドライバーに知らせることで、取り締まりを余裕で回避してたのだ。
【画像】 取り締まり逃れのためパトカーにGPSを仕掛けた運送会社の社長
このたび取り締まり逃れのため、パトカーにGPSを仕掛けた罪で逮捕されたのは、湖北省襄陽市でトラック運送会社を経営していた Zhu という名の女性だ。
Zhu は、自社のトラックドライバーが検問などの取り締まりのたびに車を止められ罰金を科されずに済む方法を考えていた。
[もっと知りたい!→]もう逃れられない?借金の滞納者の位置情報を誰でも簡単に検索できてしまうアプリが中国で登場
そこで思いついたのが、市内を巡回するパトカーを追跡するアイデアだった。パトカーの位置を正確に把握できれば、ドライバーはそこを避けるだけでいい、というわけだ。
GPSトラッカーを入手し自身でパトカーに取り付け
メディアが明かした Zhu 本人の自白によると、Zhu は2023年6月にネットでマグネット付きGPSトラッカー6個を購入。
そして深夜に自らパトカーの駐車場に侵入し、車体の下部にそのデバイスを取り付けた。
それを3度にわたって行い、6台すべてにデバイスをつけ終えた Zhu は、パトカーの位置情報を受信しては、スマホのアプリを介してドライバーに知らせていた。
それを先月発覚するまでのおよそ半年間、ずっと続けていたという。
[もっと知りたい!→]恐怖しかない。複数の武装警官に自宅突入され、拘束された男性。警察の住所間違いだった
photo by iStock
当局がパトカーの車検の際に偶然見つける
あろうことかパトカーを利用して、警察の裏をかいていた運送会社の社長。実はその犯行が発覚したきっかけは偶然だったという。
今年1月22日、当局がパトカーの定期点検を行った際、車体の下のシャーシ部分に不審なボックスがあるのを発見。
そのボックスの内部から、位置情報を取得・発信するデバイス、GPSトラッカーが見つかった。
そしてさらなる検査の結果、襄陽市を巡回するパトカー11台のうち、なんと6台に同様のボックスが仕掛けられてることが判明した。
1台どころか6台とはとんでもない所業だが、ただちに警察は追跡に使用されていたSIMカードの痕跡から犯人捜査にかかり、まもなく市内在住の Zhu を特定した。
逮捕後に拘留8日間と1万円の罰金
その後 Zhu は、GPS によるパトカーの追跡という前代未聞の罪で逮捕され、8日間の拘留と500元(約1万円)の罰金を科せられた。
しかし警察車両に追跡装置をつけるとは。フィクションの世界かな?って話だが、実際には大ごとなんじゃなかろうか。
というか停めてたパトカーの管理体制というか、せめて駐車場に監視カメラとかなかったのかな?って感想もあったりなかったり。
しかもその刑が1週間程度の拘束に1万円の罰金って。欧米ならより深刻で重大な犯罪行為とみなされるとの見解もあるが、確かにずいぶん軽い気もする。
まあその辺はさておき、改めていっとくが、このような行為は犯罪なので絶対しないようにだよ。
References:odditycentral / chinadailyなど /written by D/ edited by parumo
コメント