地球上のあらゆる場所でプラスチック汚染が進んでいる。その原因を作っている人間が本来なら後始末をするべきなのだが、インドのジャングルで心が痛む光景が目撃された。
水飲み場に現れた1頭の子供の虎が、水の中に捨てられていたペットボトルを口にくわえて、片づけた。
ここに住む虎たちにとって水飲み場は大切な場所だ。そんな事情からか、その虎は当たり前のようにゴミを無視することなく拾い出したのだ。
野生動物にとっては理不尽ともいえるその光景に、現状を知る森林局員の訴えや悲しみや反省、怒りなどさまざまなコメントが寄せられている。
【画像】 ジャングルの水飲み場に捨ててあったペットボトルを拾う虎
インドのマハーラーシュトラ州バヌス ヒンディに位置する広大なタドバ国立公園は、人里離れたジャングルの中にあり、インドで有数の虎の保護区だ。
水辺に落ちてた空のペットボトル。それを慣れた様子で口で器用に拾い上げたのは、水を飲みにやってきた虎だった。
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「また水を台無しにする邪魔なモノが…」とでもいうようにうんざりした顔にみえるのは気のせいなのか?
さらに虎はペットボトルをくわえたまま、威厳ある様相でこちらに向かって歩を進める
大型ネコ科らしい機敏さやワイルドさがにじむ歩みと凄みのある眼力があいまって「不届き者はうぬらか!?」って叱られてる気分にもなる
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そうだよね、ペットボトルに用がない野生動物たちは迷惑してるだろうな。ほんと巻き込んじゃってごめんなさい!って謝りたくなっちゃうよ。
ゴミを拾っていたのはこの地域で有名な虎の子ども
昨年末にこの様子を撮影したという野生動物写真家のディープ・カティカーさんによると、この虎は、近隣の村民らから「丘にいるバヌス ヒンディの虎」と呼ばれているメスの虎の子どもだという。
母親から教わったのか、落ちているごみをちゃんとくわえて拾った若い虎に衝撃を受けたカティカーさんは動画にこんなキャプションをつけていた。
虎の思いやりある行為。我々はジャングルをきれいに保つよう努力する
虎は撮影していた人の車の前にペットボトルを投げた
今月投稿のこの動画を見た多くのユーザーが気の毒な虎に心を痛め、状況を心配する声が次々上がった。
そのうちの一人、インドの森林局職員であるスサンタ・ナンダさんは自身のXアカウントで、この動画をシェア。プラスチックごみを自然に捨て去らないよう人々に呼びかけた。
なぜ野生生物が文明人のゴミを掃除しなければならないのか。プラスチックや発泡スチロールを荒野に持ち込むのはやめてほしい
さらにスサンタさんは、別の投稿でこうも明かしていた。
聞いた話では、その虎が捨ててあったペットボトルを動画を撮影していた人の車の前に放り投げたそうです。そのメッセージは私たち全員にはっきり伝わりました
「素晴らしいけど悲しい」「ポイ捨てるやつは恥を知れ」
また他のユーザーたちはこんなコメントを寄せていた。
・素晴らしいことだと思うけどただただ悲しい。虎が私たちのごみの後始末しなければならない状態を恥ずかしく思う。
・ポイ捨て禁止を呼びかけるのに一番説得力がある動画。いろんなところに投稿するべき。
・私たちが地球に与えてる被害の規模を目の当たりにしてとても悲しい。
・破壊の程度というのは目でわかりにくいものだよね。自分たちの地球と自分の周りにも責任を持って、清潔と緑を維持していこう。
・苦痛だらけの動画。
・悲しみと怒りが一緒にこみあげてきた。平気でポイ捨てする奴は恥を知れ。
もう虎の数を数えるカメラはいいから、ポイ捨て犯を捕まえるためのカメラを設置しよう。捕まった犯人は以後そのジャングルを出入り禁止にすべきなんだよ。
最近のプラスチック汚染といえば、マイクロプラスチック問題のほかに、世界中のヤドカリが、貝殻からプラスチックごみの家に住み替えたというかなりショックな報告もあったり。
これについては、当のヤドカリたちに幸せかどうかを含めて率直な感想を聞きたいとこだが、長期的影響についてはいまもわかっていない。
というかほんとに野生の虎先輩の手(口?)をわずらわせまくってるとしたら、いよいよもって相当まずい気がする。やはり少しでもプラスチックを減らしたり、無くしてく努力は必要だとおもうわけだがみんなはどうおもう?
References:ndtvなど /written by D/ edited by parumo
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