授賞式の様子。左からウエルシア薬局、ライオン、花王、イトーヨーカ堂、ハマキョウレックス担当者と環境省総合環境政策統括官の鑓水洋氏

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、このたび、ライオン株式会社、株式会社イトーヨーカ堂ウエルシア薬局株式会社、株式会社ハマキョウレックスと共に、内閣府が主催する第6回日本オープンイノベーション大賞にて、「リサイクリエーション*1活動『つめかえパックの回収と水平リサイクル』」の取り組みが評価され、「環境大臣賞」を受賞しました。日本オープンイノベーション大賞は、社会インパクトが大きく、模範となり、持続可能性のあるオープンイノベーションを表彰する制度です。

*1 使い終えたものを再び資源に戻す「リサイクル」と、新たに価値を創造する「クリエーション」を合わせたアイデア。コンセプトは「使ったら、捨てる。このあたりまえを変えたい。」

内閣府ウェブサイト

日本オープンイノベーション大賞(Japan Open Innovation Prize(JOIP))


今回受賞した取り組みでは、製造業の花王とライオン、小売業のイトーヨーカ堂ウエルシア薬局、物流業のハマキョウレックスという異業種が協働し、使用済みつめかえパックを回収するためのインフラの検証と水平リサイクル技術の開発を行っています。新たな資源循環のしくみは、広く利用されるものでなければならず、複数企業による協働の成果を見せることで、より広めやすい、開かれた取り組みになったと考えています。

リサイクリエーション活動「つめかえパックの回収と水平リサイクル」の概要


リサイクルつめかえパックができるまで

花王とライオンは、2020年9月に、プラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向けて、洗剤やシャンプーなどのフィルム容器(つめかえパック)のリサイクルに協働で取り組むことを発表しました。「リサイクリエーション」として、使用済みつめかえパックの回収インフラの構築とリサイクル技術の開発をめざし、現在も実証実験を継続しています。

2020年9月 ニュースリリース

プラスチック包装容器資源循環の推進に向けて花王とライオンがリサイクリエーション活動の協働を開始

イトーヨーカ堂ウエルシア薬局は、イトーヨーカドー曳舟店とウエルシア薬局約30店舗に回収ボックスを設置し、消費者から使用済みつめかえパックを回収。花王、ライオンと協働し、リサイクルに対する消費者の理解・協力を深めるための普及・啓発活動を促進し、回収量の増加をめざしました。また、ウエルシア薬局の物流を担うハマキョウレックスと共に、効率的で環境負荷を抑えた物流プロセスも検討。ウエルシア薬局各店舗への商品配送の帰り便を利用して、使用済みつめかえパックを集荷し、物流センターに集積。ある程度の量が集まった段階でリサイクルを行う拠点に配送するという、プロセスの有効性を確認しています。

2020年11月 ニュースリリース

花王・ライオンが協働してリサイクル実証実験を開始 イトーヨーカドー曳舟店にて使用済みつめかえパックの店頭回収をスタート

2021年10月 ニュースリリース

花王・ライオンとウエルシア薬局・ハマキョウレックスが使用済みつめかえフィルム容器のリサイクル実証実験を開始

このような活動の成果のひとつとして、花王とライオンは2023年5月に、再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化しました。花王は、和歌山工場に導入したフィルム容器リサイクルのパイロットプラントにて、フィルム容器の技術開発・検証を進め、つめかえパックの一括リサイクル技術を確立しています。

2023年5月 ニュースリリース

花王とライオン、使用済みつめかえパックを協働で水平リサイクル 再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化

2023年5月 ニュースリリース

花王、使用済みつめかえパックの水平リサイクル技術を具現化

「環境大臣賞」としての評価のポイント

「資源循環、水平リサイクルは、環境行政の重要課題のひとつ。つめかえ文化の浸透により、将来のライフスタイル革新の突破口として期待される。競合関係にある大手2社でサーキュラエコノミー実現のために技術開発だけでなくプロセス再構築で連携している点はロールモデルになり得る。」*2

*2 第6回日本オープンイノベーション大賞」受賞取組・プロジェクトの概要について より引用

花王グループは、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定しました。また2021年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画を推進しています。今回の取り組みは、「Kirei Lifestyle Plan」の重点取り組みテーマのなかでは「ごみゼロ」に貢献するものです。このような社会課題の解決に向けては、多様なパートナーとの連携が必要不可欠であり、協働を通じたイノベーションを推進しています。今後も、経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでまいります。

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