高嶺のなでしこ
高嶺のなでしこ

2022年に「JDOL AUDITION」を勝ち抜いた7名に、ラストアイドルの元メンバーから松本ももな、橋本桃呼、籾山ひめりの3名を加えた10名で始動したアイドルグループ、高嶺のなでしこ(通称「たかねこ」)。

クリエイターユニット、HoneyWorks がサウンドプロデュースを務め、話題となった楽曲『可愛くてごめん』の公式カバーMVがYouTubeで1326万回再生(※2024年2月現在)を叩き出すなど、多方面から注目を集める彼女たちが、遂に2月21日メジャーデビューシングル『美しく生きろ/恋を知った世界』をリリースする。

今回は松本ももな、籾山ひめり、星谷美来の3名に、現在の心境や本作についてたっぷりと話を聞いた。

【写真】高嶺のなでしこ

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イチからアイドルグループを作り上げていく感覚

――2022年夏の結成からこれまでを振り返ると、高嶺のなでしこにとってどんな期間だったと思いますか?

籾山ひめり(以下、籾山) 私のようなアイドル経験者から、オーディションを勝ち抜いたアイドル未経験の子まで、本当にさまざまなメンバーが集まったこともあり、イチからアイドルグループを作り上げていく感覚がすごくあって。初めてのステージは、ファンの方がいるのか本当に分からない状況でした。

きっと観に来てくれた方たちも私たちの楽曲なんて1曲も知らないし、盛り上がり方とかも全く分からない状態からのスタートで、たくさんのライブに出演していく中で、ファンの方たちとのコールや盛り上がり方、そしてメンバーの個性の魅せ方なんかを一緒に作り上げた期間だったと思います。

――なるほど。本当にイチからのスタートだった。

籾山 そうですね。今は楽曲も増えましたし、サウンドプロデュースを担当してくださっているHoneyWorksさんの曲のカバーをしたりして、グループの認知度、ファンの数も増えてきました。ようやく他のアイドルにも負けないグループとしての強みも出てきたかなと実感できるようになりました。

――その高嶺のなでしこならではの強みって、言葉で表すことはできますか?

松本ももな(以下、松本) HoneyWorksさんのカバーをさせていただいているので、初見の方でも「この曲、知ってる!」となって一緒に楽しんでいただけることは多いと思います。なので、HoneyWorksさんプロデュースというのはすごく強いのかなと個人的には思っています。

――HoneyWorksさんの存在はすごく大きいんですね。星谷さんはオーディションを合格してメンバーになったかと思いますが、これまでの活動の中で印象深いワンシーンって何かありますか?

星谷美来(以下、星谷) 高嶺のなでしこのデビュー1周年記念の「美しく生きろ」という単独のライブがあったんですけど、その時にサプライズでメジャーデビューの発表があって! その瞬間まで私たちも知らなかったので、モニターに「メジャーデビュー」という文字が映し出された時には頭が真っ白になって戸惑いもあったんですけど、すぐにファンの方たちが「おめでとう!」と声を掛けて下さって。本当にデビュー出来るんだっていう、その記念すべき瞬間をファンの方と共有できたのは、すごく印象に残っています。

――籾山さんと松本さんはいかがですか? 印象深いワンシーンは?

籾山 私は、昨年8月の「TIF2023」がすごく思い出に残っていて。2022年のたかねこの初ステージがTIFだったんですけど、その時の景色を覚えていたし、そこから1年経って、私たちのことを知ってくださっている方がたくさん会場に来てくださって、楽曲も増えて盛り上がっているていうその光景や環境がすごく嬉しくて。

メンバーカラーのサイリウムを振ってくださっている光景なんて1年前は考えられなかったし。デビューさせていただいたステージに2023年も立たせてもらったというのはすごく光栄でしたし、1年間で成長した姿を見せることができたのかなと思います。

松本 私も1周年のライブなんですけど、そこでメジャーデビューの発表があったこともそうですし、その日のために全国や海外からもたくさんの方が会いに来てくださったことが嬉しくて! 1周年ライブではお客さんとすごく近い距離でライブをすることができたので、すごく嬉しくて思い出に残っています。

【写真】高嶺のなでしこ

松本ももな
松本ももな

イチからのグループだけど、先輩がいるアイドル

――籾山さんと松本さんはラストアイドルを経験されてから高嶺のなでしこへの加入という背景がありますが、一度別のグループを経験されてから新しいグループで再出発することに対してどんなお気持ちがありましたか?

籾山 そうですね......。メンバーも初めて会う子ばかりでしたし、本当にイチからのグループなんだなと感じました。私自身、人見知りな部分もあったし、元ラストアイドルのメンバーともそんなに関わりがなかったので、本当にみんなでここから始まっていくんだという新鮮な気持ちでたかねこに入ったんです。

ただ、今まで経験したことがあるMCの部分だったりではみんなを支えつつ、アイドル未経験のメンバーもすごく成長が早かったので、自分も負けないように頑張らないといけないなって思ってましたね。教えるところはありつつも、みんなの努力する姿を間近で見て、自分も頑張らなくちゃって。

松本 ひめりも言ったように本当にイチからのグループで。だからこそ、少しでもたかねこのことを広めていこうと全力で努力しているし、パフォーマンス面ではライブを重ねるごとにみんなレベルアップしていて、もう私が言うことは何もないくらいなんです(笑)。

ただ私はヘアアレンジや美容面が得意なので、髪飾りをつけてあげるとか、ちょっとしたヘアアレンジをするとか。そういうことに関してはもっと頼ってほしいですね(笑)。

――籾山さんや松本さんのようなメンバーがいることはグループとしても心強い部分だと思うんですが、星谷さんはお二人に対して思われていることはありますか?

星谷 同じグループに、アイドルとしての場数を踏んでいる先輩たちがいるのって、普通はあまりないことだと思うんです。ダンスや歌だったり、それ以外のこと、例えばMC力だったり、自分がまだ持っていない武器や強みを既に持っている姿を隣で見られることは刺激的です。普段、先輩って言わないから、ちょっと恥ずかしいですけどね(笑)。

――ちょっと照れくさい感じが出てていいですね。

一同 (笑)。

――結成後さまざまな経験を経て、ついに2月21日に待望のメジャーシングルをリリースされますが、率直に今の気持ちを教えてください。

星谷 メジャーデビューするにあたって、まだ正直何か変わったという部分はないんですけど、リリースイベントがスタートして、ファンの方と握手する機会が増えたりだとか、オンラインサイン会を開催したり、ファンの方たちから「おめでとう」と言葉をかけてもらったりして、フワッとしていたメジャーデビューのイメージがどんどん現実味を帯びてきて、これからもっと楽しいことが待っているのかなって思います。

松本 私もまだそんなに実感はないんですけど、こうやって取材を受けたり、ファンの方に言葉を掛けてもらえて、もうすぐなんだなとドキドキしていますし、CDショップに自分たちのCDが並ぶと思うとすごくワクワクします!

籾山 私自身は2度目のメジャーデビューなんですけど、たかねこがメジャーデビューすると聞いた時はすごく驚きましたし、今も正直、現実という感じがしていないんです。でも自分たちのCDが出せることがすごく嬉しいですし、それが皆さんの元に届くっていうことも嬉しい。メジャーデビューっていうのは、アイドルのひとつの夢であり目標でもあると思うので、これからもいろんなメディアに出られるように高嶺のなでしこの名前をもっと大きくできたらなと思います。

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籾山ひめり
籾山ひめり


今年は武道館を満員に! そのためには......

――本作は「美しく生きろ」「恋を知った世界」の2曲が表題曲ですが、それぞれどんな楽曲に仕上がったか教えていただけますか?

籾山 2曲とも全く違う楽曲で、「美しく生きろ」はアイドルの裏側、キラキラしたアイドルの部分ではなくて、どういう気持ちでアイドルを目指しているのかなど、ひとりのアイドルにかける思いが表現された楽曲。目指す場所だったり、アイドルを経験したメンバーだったら辛い経験も含めて表情に出ていたりとか、何度もオーディションを受けてアイドルになったメンバーはキラキラした笑顔で歌っていたりとか、いろんな表情が見ることができるのが楽曲の魅力だと思います。

逆に「恋を知った世界」は全く別の毛色の楽曲で、本当に恋を知った女の子のお話を歌にしたものなんですけど、思いを伝えられない女の子の秘めている気持ちとか、好きな人に向けて少しずつ近寄っていく乙女な姿が描かれていて、それがキュンキュンして可愛らしい楽曲だなと思います。

――「美しく生きろ」は絶対にライブ映えしますよね。

籾山 そうなんです。サビのダンスはファンの方も楽しめる振り付けというか。〈アイドルよ〉の部分は皆さん好きな色のサイリウムを掲げて一緒に踊れるようになっていますね。

――本作はこの2曲以外にも多数の楽曲が収録されますが、皆さんの推し曲も教えていただけますか?

星谷 5人ずつのユニット曲がありまして、私は「可愛いって言われたい」という楽曲に参加していて。この曲は女の子が秘めている思いとか、「本当は誰でも可愛いって言われたいんだよ」という本音が描かれている歌詞だなと思っていて。

可愛いは正義でしょ〉なんてなかなか普段口にすることはできないと思うけど、この曲を歌っていると不思議と勇気が湧いてくるんです。ファンの方の前でも、ありのままの思いでこの曲を笑顔で歌える。そしてファンの方もそれに応えるようにコールをしてくださる。だから歌っていてすごく楽しいし自信がつく曲ですね。

星谷未来
星谷未来

松本 私も「可愛いって言われたい」がすごく好きで。可愛いが詰まった曲ではあるんですけど、〈比べられてばかりは嫌だ〉という歌詞にもあるように、女の子の少し弱い部分も垣間見られたりして。そんな中で周りのことなんか気にせず、〈私らしく生きていたい 人生を楽しまなきゃ!〉って前向きに背中を押してくれる部分もあって、すごく可愛くて元気になれる曲なので、オススメです!

籾山 私は、やっぱり表題曲の「美しく生きろ」がすごく好きで。この楽曲はメジャーデビューが決まってから作られた曲ではなくて、2022年の初めてのファンミーティングの時から完成していて、ワンマンライブでずっとやってきた曲なので、メンバーと長い期間を掛けて作り上げてきたという思いがあるんです。

〈高嶺のなでしこ〉と歌詞にも入っているので、たかねこにしか歌えない曲だし、今この曲があるのはファンの方のおかげだと思います。〈共に来てくれやしないか?〉とファンの方に語りかける部分もあり、この曲と一緒にみんなで上を目指していこうと思いも乗せることもできる。自分たちも震え立たせつつ、ファンの方々ともっともっと大きなステージや景色を見るための曲だと思っています。

【写真】高嶺のなでしこ

――では、最後にこれからの目標や展望をお一人ずつ教えていただけますか?

星谷 グループとしては結成当初から2年で武道館に立つことを目標にしていて。もう1年経ってしまったので、今年中には立ちたいという気持ちではいるんですけど、武道館に立つにはたくさんのファンの方が満員でいる景色が見たいので、今はもっともっとたくさんの方に高嶺のなでしこを知ってもらいたいなと思っていますし、今年はオリジナル楽曲でバズりたいとも思っています。

個人としては、いろんなお洋服を着ることが好きでモデルさんにすごく憧れているので、そういうお仕事ができたら嬉しいなと思っていて。毎日モデルさんのポーズを研究しています(笑)。

松本 やっぱり武道館に立ちたいという目標があるんですが、立つだけじゃなくてちゃんと満員にして立つために、今年は勝負の年だと思っています。1つ1つのライブを大切にして、SNSなど活用しながら、たかねこを知ってもらえるように頑張っていきたいです。

個人としては、お洋服やコスメが大好きなので、プロデュースなどもしてみたいなと思っています!

籾山 たかねこは10人組なんですけど、誰ひとりとして個性が被らないのが魅力だなと思っていて。ビジュアル面でも、同じ衣装を着ていてもぱっと見で誰だかすぐ分かるくらい特徴が違うし、歌声も全く違うので、例えばバラエティで活躍できるメンバーや、美容面が得意なメンバー、声のお仕事ができるメンバーだったりと、それぞれができるお仕事がより増えていけばいいなと思っています。ライブだけじゃなく、いろんなメディアにたかねこのメンバーが出ていけたら、もっと名前が広まって大きくなると思うので。

逆にメンバーの個性が凄すぎて、個人的には自分に足りないものが多すぎるなと感じることもあるんですけど、自分には何ができるかと考えた時に思ったのは、やっぱり自分はパフォーマンスが好きだなと思って。憧れの人は鈴木愛理さんなんですけど、愛理さんのようにいろんな方から認められるアイドルになりたいなと思っています。

歌もダンスもメンバーに聞かれたらすぐ答えられるくらいのオールラウンダー。キャプテンとしてもっともっと出来ることを増やしていきたいなと思いますし、誰かを支えられる存在になりたいです。

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■高嶺のなでしこ
JDOL AUDITIONを勝ち抜いて選ばれた7名のメンバーと、元ラストアイドルのメンバー3名からなる10人組の女性アイドルグループ。サウンドプロデュースはクリエイターユニットHoneyWorksが担当

公式サイト
https://takanenonadeshiko.jp/

取材・文/笹谷淳介

高嶺のなでしこ