映画「アベンジャーズ」シリーズのファルコン役として知られる俳優・アンソニー・マッキー。これまで数多くのヒット作に出演しており、最近では2月22日(木)よりオンライン動画配信サービス「Hulu」で見放題独占配信がスタートする海外ドラマ「ツイステッド・メタル」でも主演を務めている。そこで本記事では、アンソニーの魅力と共に、これまでの経歴や演じた役などを振り返っていく。
【写真】“運び屋”という新たな役どころに挑戦するアンソニー・マッキー
■「ミリオンダラー・ベイビー」や「ハート・ロッカー」などの名作にも出演
アンソニーはアメリカの名門であるジュリアード大学の演劇部門を卒業したエリートで、卒業後は主に舞台俳優として活躍を重ねてきた。2004年にはクリント・イーストウッド監督作品「ミリオンダラー・ベイビー」に出演し、反骨精神たっぷりのボクサー、ショーレル・ベリー役を演じるなど演技の幅を広げていった。
そして、「第82回アカデミー賞」で作品賞や監督賞など6冠に輝いた「ハート・ロッカー」で、爆弾処理班の隊員、J・T・サンボーン軍曹役を演じたことで世間から注目を集める。当時無名だったアンソニーがインディペンデント・スピリット・アワードなどの助演男優賞にノミネートされ、一躍スターへの道を駆け上がった。
その後も幅広い役柄を演じられる俳優としてその名を轟かせていったアンソニーは、自身の代表作とも言える「キャプテン・アメリカ」シリーズでサム・ウィルソン役(ファルコン役)に抜擢。世界的人気を誇る映画「アベンジャーズ」シリーズにも出演し、名実ともに確固たる地位を築いた。
そんなアンソニーだが、実はもともとマーベル作品では“ブラックパンサー役”を演じたかったそうだ。配役が決まる際、プロデューサーのネイト・ムーアと監督のルッソ兄弟と面談をしたアンソニー。監督は具体的な役どころは明かさずに出演依頼をしたところ、アンソニーは“ブラックパンサー役のオファーだろう”と思い込み、快く引き受けたという。そして数週間後にファルコン役に決まったことを知ったアンソニーは、インタビューで当時の心境を振り返り「『マジかよ！』と思った」と冗談交じりで語っていた。
当初は本人にとって不本意なキャスティングだったかもしれないが、ネット上では「ファルコン、めっちゃかっこいいし、アンソニーが演じてくれてほんと良かった」「彼だからこそ、あのサムは生まれたと思う」「アンソニーさんが演じるファルコンが大好きです」など、キャスティングに満足する声が寄せられていた。
■黒人起業家からゲームの主人公まで…幅広い役を演じ分けるアンソニー・マッキー
“ファルコン役”のイメージが強いアンソニーだが、彼の長いキャリアを覗いてみると、幅広い役どころを演じ分けている姿が見受けられる。
1960年のアメリカを舞台に、人種差別に苦しむ黒人男性が不動産業で成功していく姿を描いた映画「ザ・バンカー」では、サミュエル・L・ジャクソンとW主演を務め、アンソニーは優れたビジネスマンのバーナード・ギャレット役を熱演。黒人というだけであからさまに差別される姿や、逆境に負けずビジネスプランを練り上げていくアンソニーの姿は、多くの人の心を動かし、“ヒーロー役”とはひと味違う一面を見せている。
そして、PlayStation(R)の伝説的ゲームを映像化した海外ドラマ「ツイステッド・メタル」でも、主演に抜擢。2023年7月にアメリカの動画配信サイト「Peacock」で配信された本作は、配信開始から2週間で“Peacock史上最も視聴されたコメディシリーズ作品”として新記録を樹立。海外の映画批評サイト「Rotten Tomatoes」でもAudience Scoreが94％と高評価を受け、すでにシーズン2の制作も決定している。
そんな本作の舞台となるのは、コンピューターの“バグ”の影響で荒廃した終末世界。都市が巨大な壁を築き、安全な中の世界“インサイド”と、危険な外の世界“アウトサイド”に分断される中で、アンソニーは都市間を繋ぐ運び屋として生計を立てるジョン・ドウを演じる。
そしてジョンはある日、ニュー・サンフランシスコの最高責任者レイヴン(ネーヴ・キャンベル)から、「アメリカ3431kmを横断して危険なニューシカゴへ向かい、荷物を無事に届ければ“インサイド”での安全な暮らしを保障する」という取引を持ち掛けられる。タイムリミットは9日間。ニューシカゴへ向かうジョンの元に、武器改造したアイスクリーム・トラックで暴走するクレイジーな殺人ピエロ“スウィート・トゥース”や無法者警察官が次々と襲い掛かる――。人気ゲームを再現した独特な世界観はもちろん、作中で描かれるド派手なカーアクションも見どころの一つだ。
爆弾処理班や黒人起業家、そしてヒーローなど、多彩な演技力で様々なキャラを演じてきたアンソニー。「ツイステッド・メタル」では、“運び屋”としてまた新たな一面を見せてくれることだろう。
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