2000年代前半にテレビ放送され大人気となった『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ。約20年振りの新作となった映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(以下SEED FREEDOM)』が現在大ヒットしています。当時のファンたちの心に刺さりまくる内容で、全く新しい物語を紡いでいますが、かつてのテレビシリーズの要素を思い出させる内容も盛りだくさんでした。

【大きい画像を見る】『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』場面写真(C)創通・サンライズ


そんな『ガンダムSEED』シリーズを改めて振り返り、本作の魅力を再確認してみましょう。


※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さいませ。

■『SEED』と『DESTINY』で紡がれる壮大な物語
2002年に放送された『機動戦士ガンダムSEED(以下SEED)』が描くのは、遺伝子調整によって強靭な肉体と優秀な頭脳を持って生まれたコーディネイターと、遺伝子調整されていないナチュラルが争う世界。中立国オーブのコロニーに暮らし、ナチュラルに友人も多いキラ・ヤマトは、ナチュラルの地球連合軍とコーディネイターのザフト軍の争いに巻き込まれ、地球軍の宇宙艦「アークエンジェル」に搭乗員となり、唯一のモビルスーツパイロットとしてザフト軍と戦うことを余儀なくされます。

しかも、敵には幼い頃の親友アスラン・ザラがおり、友達を守るためとはいえ、かつての親友と何度も戦う過酷な運命を辿るのです。戦禍のなか、キラはコーディネイターの歌姫ラクス・クラインオーブ代表の娘カガリらとの出会いを経て、戦争そのものを止めるための戦いをすることの重要さを知り、アスランたちとも和解。地球軍、ザフト軍両陣営の戦いを止めるために戦うのです。

続編の『機動戦士ガンガムSEED DESTINY(以下DESTINY)』では、『SEED』の時に戦いに巻き込まれ家族を失ったコーディネイターの少年シン・アスカが主人公として登場。家族を守れなかったオーブを憎みザフトに入隊した彼は、再び起こる戦争の中、中立を貫くキラたちとも対立。混迷を深める戦局の中、ザフトの議長デュランダルは、人類全てを救済する「デスティニープラン」を発動。キラやアスランたちがこれを阻止し、シンはキラたちと和解し、ともに歩んでいくことになりました。

デスティニープランとは何か
『DESTINY』にて、デュランダル議長の野望を阻止したキラたちですが、それで人々の争いが終わったわけではありません。むしろ、デスティニープランは、争いを止めるための究極の救済プランでした。この思想が『SEED FREEDOM』の物語にも大きな影響を与えています。

デスティニープランは、コーディネイターの技術的本質である遺伝子の解析を突き詰めたもので、全ての人類を遺伝子レベルで分析し、個々人の適性や個性を見出し、最適な職業や役割に就けることで不満の火種を無くそうというもの。それを全人類規模で実行し、国同士の争いがない世界を作ろうというものです。その世界では、人は生まれながらに持った遺伝子の適正のみで価値を判断され、運命(DESTINY)に従って生きるしかなくなります。キラたちは、争いがなくなったとしても将来の夢も希望も失い自由を奪われる、デスティニープランが行きつく先の未来を否定しました。
そして、そんな争いが止まらない世界で「自由(FREEDOM)」を求め抗い続けているのが『SEED FREEDOM』の物語なのです。


■パイロットたちのモビルスーツ乗り換えの歴史
さて、そんな本作には魅力的なモビルスーツが多数登場します。特に主要キャラクターの3人、キラ、アスラン、シンは機体を乗り換えますが、テレビシリーズでもこの3人は機体を乗り継いできました。そんなテレビシリーズ時代の機体とパイロットの組み合わせを知っていると、本作はもっと楽しみが拡がるようになっています。

主人公キラは、『SEED』初期には「ストライク」に搭乗、その後、シリーズ後半に「フリーダム」へと乗り換えています。『DESTINY』では最初から「フリーダム」に乗り圧倒的な強さを見せますが、シンに撃墜され「ストライクフリーダム」へと乗り換えることになります。『SEED FREEDOM』では、新機体「ライジングフリーダム」に乗っていますが、後半から旧型「ストライクフリーダム弐式」から、さらにパワーアップした「マイティストライクフリーダム」へと乗り換え、ファンを湧かせてくれました。

アスランは、『SEED』序盤には、「イージス」という赤い機体に搭乗。以降、アスランといえば赤い機体が定着します。『SEED』後半には「フリーダム」の兄弟機である「ジャスティス」を駆り、『DESTINY』では「セイバー」から「インフィニットジャスティス」へと乗り継いで、キラたちとともに戦います。『SEED FREEDOM』においては、「ズゴック」に乗って登場したことでファンを驚かせましたが、さらにその中から「インフィニットジャスティスガンダム弐式」が出てきたことはさらに驚きでした。

アスランは、シリーズを通して色々な機体に急遽乗り込むことが多かったキャラクターであり、どんな機体でも乗りこなすアスランの起用さが『SEED FREEDOM』でも発揮されていました。

そして、シンは、『DESTINY』ではパーツを分離・換装できる機構が特徴の「インパルス」からはじまり、「デスティニー」へと乗り込むことになります。そんなシンが、アスランの機体をベースにした「イモータルジャスティス」に乗って『SEED FREEDOM』に登場したのは大きなサプライズでしたが、後半で「デスティニーガンダムSpecII」に乗って本来の強さを発揮していました。

『DESTINY』ではシンは「インフィニットジャスティス」に乗ったアスランに撃墜されているので、いわば因縁の機体に乗っていたことになります。ちなみに、シンの最初の搭乗機「インパルス」はルナマリアへと受け継がれています。

『SEED FREEDOM』の機体乗り換えがアツいのは、旧型から新型に乗り換えるのではなく、新型から旧型に乗り換えて真の強さを発揮するところ。このあたりの展開がテレビシリーズを支持してきたファンの心に特に刺さったのでしょう。

その他、イザークとディアッカデュエルバスターミーティアを装備しているなども往年のファンからすると面白い組み合わせで、映画単体でも楽しめますが、TVシリーズを知る人にはさらに楽しめる仕掛けが満載です。テレビシリーズ未見の方は今からでも履修してみてはいかがでしょうか。


機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』
大ヒット上映中!
配給バンダイナムコフィルムワークス、松竹
(C)創通・サンライズ

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『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(C)創通・サンライズ